再稼働に向けた申請から8年半。北陸電力は最大のハードルを乗り越えました。原子力規制委員会の審査会合が3日開かれ、石川県志賀町にある志賀原発の敷地内を通る10本の断層が「活断層でない」とする北陸電力の主張が、おおむね妥当と判断されました。

原子力規制委員会の審査会合

記者
「つい先ほど、あちらのビルで開かれた審査会合で北電側から“活断層でない”とする説明がなされ、それに対し“おおむね妥当である”とする判断が出されました。志賀原発の再稼働に向けて大きな一歩を踏み出したことになります」

東京都内で開かれた、原子力規制委員会の審査会合。志賀原発2号機の再稼働に向けた議論は3日、重大な局面を迎えました。焦点となっているのは、原発の敷地内にある10本の断層が「活断層なのか否か」。

石川・志賀町の北陸電力志賀原子力発電所

2011年3月から運転を停止している志賀原発2号機について、北陸電力は再稼働を目指していますが、福島第1原発の事故後に作られた新規制基準では、原子炉建屋など重要施設の下に活断層がある場合、原発の再稼働は認められていないからです。

3日の審査会合で北陸電力側は、これまでの審査会合や現地調査で挙げられた規制委側の指摘や疑問に対し、追加調査の結果などを示しながら丁寧に説明していきます。そして…。

原子力規制委員会 石渡明委員

原子力規制委員会 石渡明委員
「今回のような非常に説得力のある証拠をもって、将来活動する可能性のある断層ではないと判断できる証拠が、たくさん得られたということだと思う」
北陸電力 小田満広常務
「規制委側の皆様におかれましては、内容について専門的、技術的な観点から、詳細に審議いただけたことに本当に感謝したいと思います。本当にありがとうございました」

2016年の原子力規制委員会・有識者会合

志賀原発2号機の再稼働をめぐっては2016年、規制委の有識者会合で「活断層と解釈するのが合理的」との判断が下されていて、審査会合でその判断を覆すのは、青森県の東通原発以来、全国で2例目のことです。

今回の評価を受けて北陸電力は「この審査結果は地元の皆様の安心につながるものであり、再稼働に向けた審査のステップとして大きな一歩と受け止めています」とコメントしています。