「障害者アート事業」や「飲食店」など、様々な形で障害者の就労を支援している岡山市のA型事業所「ありがとうファーム」が、新たに食料品のスーパーをオープンしました。環境にも財布にも優しいというスーパーの秘密とは?
(杉澤眞優キャスター)「安い商品がずらっと並んでいます。こちらの商品は希望小売価格700円なのですが、実際は220円で販売されています。裏を見ると、賞味期限は先月のものとなっています」
岡山市北区表町にオープンした、エコスーパー「ありがとう商店」です。商品の多くが、一般の販売価格の5割以下で棚にならんでいます。中には100円近い値引きも。
(ありがとうファーム 木庭康輔社長)「『日本で捨てられている食材で、世界で飢餓に苦しんでいる3倍の人数が救える』という事実を聞いて、この店をオープンしました」
日本でのフードロスは、年間約522万トン。これは毎日1人当たり、おにぎり1個を捨てている計算です。フードロスの原因の1つにあげられるのが、食品メーカーと小売店の間にある「3分の1ルール」です。
賞味期限の3分の1が経過するまでに納品できなかった商品は、賞味期限まで多くの日数が残っていても、廃棄される可能性があるというのです。1990年代にできた商習慣で徐々に緩和されていますが、まだ根強く残るケースも。
そこでこの店では、品質が保持されている「賞味期限切れの商品」や「廃棄予定の商品」を値引き販売することで、フードロスに繋げる狙いです。さらに、障害者が店舗運営に携わることで、自立支援も目指しています。
(店員 中村大輔さん)「ありがとうございます。またのご来店お待ちしております。。。初めての接客だったので緊張しました。これからもいろんな人が来るので、緊張せずに快い接客を心がけていきます」
ありがとうファームでは、今後も共生社会実現に向けての様々な取り組みを続けるとしています。