福岡県内では1日、公立・私立の多くの高校で卒業式が開かれました。新型コロナの感染対策を緩和する国や自治体の方針に基づいて、卒業生がマスクを外して式に臨んでも良いとした学校が多い中、実際の卒業式はどうだったのでしょうか。

◆最初からコロナに翻弄された高校時代

福岡市早良区の福岡工業高校では、約360人の卒業生のほとんどがマスクを外して卒業式に臨みました。

市川仁士校長「君たちの高校3年間は、常に新型コロナウイルスとの戦いの連続でした」

安倍晋三総理(当時)「全国すべての小学校、中学校、高等学校、特別支援学校について臨時休校を行うよう要請します」

今年の卒業生は、新型コロナの拡大に伴って全国すべての学校が休校となる異例の事態の中で高校生活をスタート。入学式は開かれず、2か月後にようやく登校できるようになってからも、学校行事の中止や、規模の縮小などが相次ぎました。

◆校歌を歌える日が来た

卒業生代表「私たちはコロナ世代と呼ばれます。この青春時代に“密”を避けるように言われ続け、みんなきっと多くの我慢をしたと思います。しかしそれを乗り越えた私たちにだけしかできないことがあると思いますし、その不屈の精神がいつか私たちの将来を明るく幸せなものにしてくれると信じています」

入学以来、歌う機会がなかった校歌を、最後の日にようやく歌うことができました。

保護者「きょう初めて校歌を聞きました。ほっとしています」