3月も続く「値上げラッシュ」、食用油が、そして鶏肉も高い…、ということで「から揚げ専門店」からは悲鳴も聞こえてきます。
ここは、名古屋市内の「から揚げ専門店」の「丸与商店 桜山店」。5個入り430円の「定番からあげ」が自慢です。使っているのは一斗缶に入った油。1か月で20個ほどが空になるということですが…。
(丸与商店 統括マネージャー 伊名野正祥さん)
「油が高くなりすぎている。一番安い時と比べて、今は3000円くらい値上がりしている」

総務省がまとめた名古屋市の食用油の小売り価格は、おととし(2021年)1月の251円から、わずか2年で490円に。倍近くに値上がりしています。
(丸与商店 統括マネージャー 伊名野正祥さん)
「結構厳しい。その一言に尽きる」

この店でも、以前は一斗缶1つ2300円ほどで買えた油が、今は3000円以上値上がりして5400円に。1か月で一斗缶を20個使うので、コロナ前に比べると月に約6万円の負担増加です。さらに追い打ちをかけるのは「鶏肉」。
(丸与商店 統括マネージャー 伊名野正祥さん)
「鶏肉も今だと安い時と比べると1キロで300円くらい値上がりしている。今は全てが値上がりしている」

鶏肉1キログラム380円が今は約580円に。1か月で1.6トンを使うこの店では、月に約32万円の負担増加です。油と合わせて38万円、光熱費や持ち帰り用の容器などの値上がりも、のしかかり…。
(丸与商店 統括マネージャー 伊名野正祥さん)
「(1か月の支出が)倍は簡単に超えている」

一方で、コロナの感染拡大が落ち着き、テイクアウトの客は1日あたり40人~50人ほど減っているといいます。
(丸与商店 統括マネージャー 伊名野正祥さん)
「値上げは去年4月に1度した。値上げすると客足も減ってしまうので、今(の価格)が限界。できる限り(出費を)抑えるところで抑えるかたちで、お客さまにおいしいものを食べてもらいたい。なんとか努力していく」

止まらない「油」の値上がり。家で揚げ物をする時に使う「節約グッズ」も注目されています。
「ハンズ名古屋店」に並んでいたのは10種類以上の「油節約グッズ」。
(ハンズ名古屋店 キッチン用品担当 安藤瑞和さん)
「いま一番のおすすめは、この揚げ物鍋。非常にコンパクトで細長いものにもフィットした四角い形をしているので、効率よく少ない油で調理できる」

少ない油で揚げ物ができる角型の鍋「ポコフリット」。IHのコンロにも対応し、従来型の商品よりも油を約2割減らせるといいます。
(ハンズ名古屋店 キッチン用品担当 安藤瑞和さん)
「もうひとつ変わった商品があって。揚げ物とサカナの形のプレートを一緒に入れて揚げるもの」

「サクッとあげものちゃん」。鍋に入れることで、抗酸化効果がはたらき油が長持ちするといいます。しばらく続きそうな価格高騰。耐え忍ぶ日々が、まだまだ続きそうです。