山口県阿武町が、誤って1人の住民に4630万円を振り込んだ問題です。誤ったものと知りながら別の口座に振り込み、不法に利益を得たとされる田口翔被告(25)の判決公判が午後3時から行われるのを前に、田口被告が裁判所に入りました。
田口被告は午後2時45分ごろ、弁護人の山田大介弁護士らとともに、山口地裁前に姿を見せました。報道陣からの呼びかけに答えることなく、歩いて裁判所へと向かいました。
田口被告は判決を前に「迷惑をかけた人への謝罪の気持ちを常に思っています。まず恩が返せるよう、人に迷惑をかけず、いずれは人に手を差し伸べられるような人になりたいと感じている」とコメントしました。
起訴状によりますと、田口被告は去年4月、町から振り込まれた4630万円を誤ったものと知りながら、オンラインカジノの決済代行業者の口座に振り替え、不法に利益を得たなどとして、電子計算機使用詐欺の罪に問われています。
阿武町はすでに、業者などから4630万円を回収。また民事裁判で田口被告は謝罪し、解決金347万円あまりを支払うことで、町と和解が成立しています。
これまでの裁判などで町の職員の対応に怒りを感じ、ストレスを発散したいと思って、オンラインカジノを使ったことが明らかになっています。
この裁判では、田口被告の行った行為が電子計算機使用詐欺の罪にあたるかどうかが争点になっています。検察側は懲役4年6か月を求刑、弁護側は無罪を主張しています。














