ポーランドで、ウクライナ避難民の支援を続けている長野県千曲市出身の男性が、支援に子どもたちが関わることの大切さを訴えました。


千曲市出身で、ポーランドで日本語学校を経営する坂本龍太朗(りょうたろう)さんは、現地でウクライナからの避難民を支援しています。
25日夜に開かれた講演会はウクライナについて書いた本の出版を記念したもので、坂本さんが避難民の支援の現状を語りました。

(坂本龍太朗さん)「支援疲れという言葉が象徴するように、とても余裕があるとはいえない。当時はポーランドに3000カ所以上の避難所がありましたが、ほとんどんなくなっています。ウクライナの皆さんは自立するのか帰国するのか二択を迫られていくことになる」

坂本さんは、避難している子どもたちの心のケアや、将来の国の復興のためにも、子どもたちを支援の輪に巻き込んでいくことが大切だと話します。
(坂本さん)「将来、ウクライナの復興を担うために、支援の輪に避難してきた子どもたちも加えていくことが長期支援の道を開くことになる。こういった子どもたちにも物資の重みを感じてもらって、それが誰にどう役立つかまで考えてもらいたい。『友達や先生を残して自分たちだけがミサイルが飛んでこない、電気がある場所に避難してきてしまった』という後ろめたさを抱えている人もたくさんいるんです。手間がかかっても、子どもたちをあえて支援に巻き込んでいく必要がある」
会では、坂本さんが支援を続けるウクライナの姉妹と、長野市の芹田(せりた)小学校6年生が交流し、小学生が姉妹に10の質問を投げかけました。
(長野市の小学生)「勉強の進み具合はどうですか?」
(ウクライナから避難しているアリビナさん)「初めに学校来た時には言葉は通じないし、転校生ということでいじめられたりしてとても大変だった」
(長野市の小学生)「今の生活に何が必要で、どんなものがほしいですか?」
(アリビナさん)「自分の国に帰りたい」
(アンゲリーナさん)「自分の家で家族や友達と一緒に暮らしたい」

「ロシアに対して言いたい事は?」との問いに、姉妹は「今すぐにでも戦争やめて人を殺すのをやめてほしい」と訴えました。

姉妹に質問をした延澤あかりさんは「(ロシアに対して)怒ったりしないですごいなと思いました。どっちも怒っているとまた戦争が強く(激しく)なったりするかもしれないから、そういう気持ちを持って(怒らないよう)考えているんじゃないかなと思います」と話していました。
ロシアのウクライナ侵攻から1年、避難する子どもたちへの支援をどう継続し、届けていくのか、模索が続いています。