駅伝、柔道など、小学生のスポーツ大会が中止となり話題に。その背景には、「勝利至上主義」による練習の過熱化が指摘されています。小学生のスポーツ全国大会は不必要なのか?勝ち負けがつくのもスポーツの魅力では?変わりつつある子どもとスポーツの向き合い方を考えます。

■小学生の駅伝大会が無期限中止に

山内あゆキャスター:
京都では有名な小学生の駅伝大会が中止になったんです。始まったのは1987年、小学生が8区間およそ12キロを走ります。京都市内の小学校が対象で、予選を勝ち抜いた48校が出場しナンバーワンを競うそうです。あるときにはパリやキーウなど、姉妹都市から選手を招待するような年もあって大きな大会なんです。

ただなぜ休止になったのか。主催している京都市の教育委員会によりますと「回を重ねるにつれて多少練習したくらいでは予選を勝ち抜けない」ほどレベルが上がってしまったことで練習が過熱化し、怪我も増えてきてしまったので1年以上に及ぶ議論の末、無期限休止ということになったんです。今年度からは個人のタイムを競う測定会に変わったということでした。


ホラン千秋キャスター:
もちろん出たかった児童の方々もいらっしゃるんだと思うんですけど。今村さんはこの大会をご存知でしたか?

歴史時代小説家 今村翔吾さん:
京都の地方局のテレビで流れるぐらい大きなイベントではあるんですね。だから京都の人は知ってる方が多いかと。

日比麻音子キャスター:
1987年からですから、代々引き継がれてる熱いものが残ってるんですね。

山内キャスター:
でもその熱さだけでもいいのかというところが今日の問題提起でもあるんですね。例えば、小学生の全国大会を廃止した競技というのもあります。それが柔道です。小学生の大会においても“行き過ぎた勝利至上主義”が散見されるということで、全国小学生学年別柔道大会が2022年から廃止になりました。どんなところが“勝利至上主義”かというと

・子供に過度な減量をさせる
・保護者が審判に罵声を浴びせる

なので全国大会はやめることにして、正しい技やルールを学ぶ育成プロジェクトのイベントを開催するというふうに舵を切ったんですね。その他にも小学校中学校高校でのスポーツとの向き合い方が変わってきています。