記録的な物価高のなか本格化した今年の春闘ですが、トヨタとホンダはきょう、異例のスピード回答をしました。両社ともに満額回答です。

トヨタ自動車 佐藤恒治 次期社長
「本年の賃金と賞与は組合の要求通りの回答といたします。産業全体に適正な取引や価格対応が行き渡るよう、ティア1(1次部品メーカー)の仕入先の皆様と一緒に私たちは全力で取り組まなければなりません。その覚悟を決めたということを回答に込めております」

トヨタ自動車によりますと、きょう行われた1回目の労使協議会で、組合側の要求に対し、満額で回答したということです。

トヨタ自動車の労働組合は職種や階級ごとに賃上げを要求していて、引き上げ額は最も高いケースで月額9370円と過去20年間で最も高い水準の賃上げを求めていました。

一方、ホンダもきょう、労働組合と2回目となる団体交渉を開き、組合の要求に対して満額回答しました。

ホンダの労働組合は、基本給を引き上げるベースアップ相当分として1万2500円、定期昇給分とあわせて月額1万9000円の賃金の引き上げを求めていて、30年ぶりの高水準となっています。

ホンダによりますと、会社側が2回目の団体交渉で回答するのは過去最速ということです。異例のスピード回答に至った背景についてホンダは「急激な物価上昇による生活不安を取り除き、変革に向けた取り組みに集中できる環境を作ることが必要と課題認識が労組と一致した」としています。