きょう(22日)取り上げるのは新型コロナの影響を受けた中小企業に対して、実質、無利子・無担保で資金の融資を行ったいわゆる「ゼロゼロ融資」についてです。公的機関が利子を肩代わりし、コロナ禍で苦しい事業者に融資をする取り組みで、中小企業にとってはまさに「コロナ禍の命綱」だったわけなんです。

しかし、これはあくまで「借金」であり、この春から返済が本格化します。

岡山県信用保証協会の調べでは、おととし(2021年)5月時点で、岡山県内の融資件数は2万2016件、総額は約3115億円に上るということです。

コロナ禍の長期化に加え、円安や物価高、エネルギー価格の高騰などで中小企業を取り巻く環境は2重苦・3重苦となっている厳しい現状です。

そんな困窮する事業者などのため県の商工会連合会と20の商工会、そして信用保証協会では、「ゼロゼロ融資」の返済に向け事業者らの支援を目的とした連携協定を結びました。

締結式には、岡山県商工会連合会の会長や県信用保証協会の会長らが出席し、協定書に署名しました。

協定では、中小企業へのヒアリングを行うことや「ゼロゼロ融資」の返済に関するセミナーの開催、中長期の経営計画についての相談なども合同で行うということです。

県内でも、今年の春ごろから返済が始まる「ゼロゼロ融資」。県信用保証協会のまとめでは、徐々に返済の時期を迎える企業は増えていき、7月~9月にピークが来るということです(参考値)。

「問合せも増えてきている」

(岡山県商工会連合会 田村正敏会長)「この『ゼロゼロ融資』に関しての問合せも増えてきています」

商工会連合会でもコロナ禍の3年間で約6万5千件の相談が寄せらたといいます。返済が本格化する前に両者で連携し地域の雇用維持を図るのが狙いです。

「どんどん相談が増える前に、まず体制づくりを」

(岡山県商工会連合会 田村正敏会長)「これはおそらく全国初めてのだと思います。前どりして、早く支援できる体制づくりをどんどん相談が増える前に、まず体制づくりをしようと」

コロナ禍の企業倒産の抑制につながる一定の効果があった「ゼロゼロ融資」ですが、その半面、こうした手厚い支援の副作用が、返済能力を大幅に超えた「過剰債務」問題として顕在化しています。今後、倒産する企業を増やさないためにも、債務を抱える企業への支援充実が求められています。