岸田政権が打ち出した「異次元の少子化対策」。児童手当の対象に所得制限を無くすことが議論されていますが、実は、障害がある子どもの福祉制度にも所得制限があり、支援を受けることができない人たちがいます。
関西地方に住む拓人くん(仮名)7歳と、母の千恵子さん(仮名)46歳。
拓人くんは生まれてくる時に低酸素脳症を発症したことで脳性麻痺を患っていて、重い心身障害があります。
千恵子さん(仮名)
「よろしくお願いします。さっそくごはんな、昼ごはん」
拓人くんは視力や聴力が弱く、自分の意思で身体を動かすことができないため、24時間、誰かが付き添っていないといけません。
千恵子さん(仮名)
「いまは250キロカロリー。1回、すごいアレルギーが出て。卵だったんですが、救急車で病院に行った」
食事は胃に直接流し込む“胃ろう”です。
千恵子さんの夫は介助に専念するため仕事を辞め、家計は千恵子さんが支えています。
千恵子さんの夫
「はっきり言ってもう眠さとの闘いですね」
実は、障害がある子どもへの福祉サービスには所得制限が設けられていて、所得が基準を超えている千恵子さん一家は、多くの負担を強いられています。
これは拓人くんの車いすの見積書。購入金額は36万円を超えます。
こうした補助器具の購入には“支援制度”があり、それを使えば1割ほどの自己負担で済みますが、千恵子さんらは全額自己負担です。
千恵子さん(仮名)
「私たちは高齢で子どもを授かった。将来のことを考えると、少しでも働けるものは働いて収入は得ておきたい 」
なかでも費用がかかるのが、こちらの身体を固定する器具。
成長にあわせて買い替える必要がある特注品で、新品は50万円もかかるといいますが、この費用の補助も所得制限を理由に受けられません。そのため…
千恵子さん(仮名)
「再利用した部分はここ(土台)なので、やっぱりちょっとこのアンバランスさ。泣く泣く下(土台)は変えられないような状態になってしまったことはつらいです」
また、デイサービスなどの“通所支援制度”にも所得制限があり、ひと月当たり3万7200円を負担しています。
制限の対象にならない世帯では4600円の負担に留まり、千恵子さんは3万円以上も多く払っているのです。
千恵子さん(仮名)
「所得があるから障害の程度が変わるわけではない。本人や家族の負担の程度に応じてする支援制度だったら、そこへ所得を加味するのはおかしい」
障害のある子どもの医療的ケアを行う医師からも「所得制限を撤廃すべき」と声が上がっています。
青森県立中央病院 成育科 網塚貴介医師
「お子さんに病気や障害があった場合に支えるのが社会のはずで、支えるどころか(所得)制限を加えること自体が考え方としておかしい。(親が)キャリアも諦めることなく、自分の人生として生きられるようにすることが何よりも少子化対策になる」
きょう、千恵子さんら所得が理由で支援を受けられない人たちは超党派の国会議員のもとを訪れ、児童手当の議論とともに検討するよう求めました。
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