東日本大震災の被災地ではハード面だけでなく心の復興をどう進めるかが、今なお大きな課題です。震災発生から間もなく12年、心のケアを続ける団体の取り組みから見えてくるものとは。

 去年12月、被災地に暮らす高齢者の心のケアについてのセミナーが、盛岡市で行われました。主催したのはNPO法人「心の架け橋いわて」です。
 この団体は、津波で1200人を超える犠牲者が出た岩手県大槌町で、大震災が起きた直後から心のケアに関わる支援活動を続けています。

(NPO法人 心の架け橋いわて 鈴木満 理事長)
「時の流れは避けられない。高齢者はより高齢者になり、子どもは大人になり、ということ。家族の形が変わってくる。多くの喪失と共に家族のあり方が予想外に変わってしまった。それを修復する作業は時間がかかる。下手をしたら一世代25年かかるかもしれない」

 団体の鈴木満理事長は精神科の医師です。団体には臨床心理士、看護師、産業カウンセラー、ICTの専門家などさまざまな職種の人が在籍していて、連携しながら支援にあたってきました。