新型コロナの水際対策の緩和で、観光地には外国人観光客が戻りつつあります。
長野県山ノ内町の温泉街では、旅館の仕事、そして英語での対応を学ぶインターンシップが行われています。
山ノ内町・渋温泉の旅館=炭乃湯(すみのゆ)。
観光客を出迎えたのは女将…ではなく大学生です!
旅館の「おもてなし」を学ぶインターンシップで、京都の大学生3人が働いています。
働き始めて2週間、英語での接客にも慣れてきましたが、とっさの対応が出来ず、戸惑うことも。
先輩スタッフの助けを借りて、なんとかチェックインが完了しました。
インターンの期間はおよそ1か月。

企画した小石屋(こいしや)旅館の石坂大輔(いしざか・だいすけ)社長は、実際に旅館で働くことで、学生が就職するときのミスマッチをなくしたいと考えています。
「教室では学べるけど実際にリアルの現場で学ぶ体験をなかなかできない、それをうまくマッチングして観光を学びたい、そういう学生と観光地の旅館をつなぐということをやっている」
学生は3人とも旅行が好きで、「客の立場からは見えなかった部分を学びたい」と、参加しました。


(畠山優芽さん)「お客さま一人ひとりに対して、どういう対応するかっていう気遣いが個々で違ったので、何をしなきゃいけないかを把握するのが大変」
(中村涼太さん)「言葉遣い普段とは違う言葉遣いをするので難しく感じた」
接客を学ぶだけではなく、観光地の土産物についてアイデアを出し合う場面も。
炭乃湯の竹節稔(たけふし・みのる)社長も、学生たちのアイデアを実現するためにアドバイスを惜しみません。
「仕入れの値段、いくらで売るのか、どんな人を対象に売りたいのか、そういうところまでみんなで話して作ったらどうでしょうか」
夜、夕食の配膳の時間です。
学生たちはシンガポールから訪れた8人の団体客を担当しますが…、
そのうち2人が夕食の時間になっても戻ってきません。
「(夕飯)いらないって言ってるんですけどどうしよう」
ここは、経験豊富な先輩とともに冷静に対応。
遅れていた2人も無事到着し、食事が始まりました。
団体客は、日本の料理と「おもてなし」に大満足、3人の接客も高い評価を得ました。

(客)「いまのところ素晴らしくて礼儀正しいです」

(高井里桜さん)「団体のお客さんとかそうじゃないお客さんとかでもいま何をしてほしいかとか、どのタイミングで料理を持ってきてほしいとか、国籍が違くてもわかるようになりたい」
人手不足が続く観光業界。
インターンシップでは、旅館の仕事を体験するだけでなく、その地域について知ることで将来の選択肢を増やしてほしいと、石坂社長は話します。
「実際に地域に生活するということを体験する、いいところと悪いところが見えて、トータルして自分はこの土地があっているんだなとか、やっぱりこの地域やこの業種は厳しいなというのを学生のうちに判断できるのがいい点」


地域の観光を盛り上げたい…、旅館の願いが込められた今回のインターンシップ。
2月下旬まで、町内の5つの旅館やホテルで23人の学生を受け入れています。