静岡県警の男性警部補の自殺は過重労働が原因だったとして、男性の妻と娘が損害賠償を求めた裁判で、17日、控訴審判決です。15日にあった男性の両親による裁判の判決とは、全く違った判断が下されました。
この裁判は、2012年に、当時30代だった静岡県警の男性警部補が自殺したのは過重な業務が原因だったとして、男性の妻と娘が静岡県に対し、およそ1億800万円の損害賠償を求めていたものです。
去年7月、1審の広島地裁福山支部は、静岡県に対し、妻と子へおよそ1億135万円を支払うよう命じる判決を言い渡し、静岡県側が控訴していました。

きょう(17日)の判決で、広島高裁の 小池明善 裁判長は、「うつ病などの発症前1か月間には時間外勤務時間は117時間を超え、妻とのメールのやりとりなどからそれ以外の時間にも業務を行っていた時間があると推認される」などとして「男性の自殺と業務との間には、相当な因果関係があった」と指摘。1審判決を支持し、静岡県側の控訴を棄却しました。

この自殺をめぐる男性の両親による同様の訴訟では、おととい(15日)、広島高裁の別の裁判長が、静岡県側に220万円の損害賠償を支払うよう命じた1審判決を取り消して両親の訴えを棄却する判決を言い渡していて、判断が割れた形となります。