ロシアの侵攻でウクライナから大分県日田市に避難していた親子が15日、帰国の途につきました。出発前、残る親族や支援者らが別れを惜しみました。

ウクライナに帰国するのは、デムチェンコ・ジュリアさん(36)と息子のキリルさん(12)です。2人はロシアの侵攻を受けて去年4月、親族4人とともに大分県日田市に避難。NPO法人リエラなどの支援を受けながら市営住宅で生活してきました。キリルさんは市内の小学校に通うとともにサッカーチームに入るなどして、2人は少しずつ平和な日常を取り戻しました。

こうした中、ジュリアさんの申し出により、親族4人より先に帰国することに。空港では見送りに来た親族らとともにレストランで食事をしたり、展望デッキで遊んだりと日本での最後の時間を過ごしました。

(デムチェンコ・ジュリアさん)「難しい気持ちでいっぱいいっぱい。みなさんすごく助けてくれた。ありがとうの気持ちを忘れない」

(ジュリアさんの息子・キリルさん)「サッカーの試合に出てシュートを決めてうれしかった。学校の友達とハウステンボスに行ったのが思い出」

そして出発のとき。2人は親族たちとあつく抱き合って別れを惜しみました。

(ジュリアさんの妹・イリナさん)「すごく寂しいしすごく心配。ウクライナはまだ危ないから。人生一度なので自分で決めること。その気持ちが幸せかもしれない」

日田市に来てから10か月。2人は多くの思い出とともに祖国・ウクライナへ戻っていきました。