山口県が高級車・センチュリーを購入したことは違法だとして、元県職員の男性が県を相手取り、村岡知事に2090万円を請求するよう求めた裁判の控訴審が15日、広島高裁で始まりました。

訴えなどによりますと県は2020年、貴賓車としてトヨタ・センチュリーを2090万円で購入しました。元県職員の男性が、住民の福祉の増進を図ることや、最少の経費で最大の効果をあげると定めた地方自治法に反するとして、購入にかかった費用を村岡知事に請求するよう、県に求めているものです。

1審の山口地裁は去年11月、センチュリーの購入は知事の裁量権を逸脱した違法行為で、村岡知事が止めなかったことは指揮監督上の義務に違反した過失があったなどと認定。県に対し、購入にかかった2090万円を村岡知事に請求するよう命じる判決を言い渡しました。県はこの判決を不服として控訴していました。

広島高裁で始まった控訴審。県側は、知事が事前にセンチュリーの購入について報告を受けておらず、指揮監督上の義務違反はないと主張しました。一方原告側は県政運営に関わる問題で、知事の過失は認められるべきなどと反論し、結審しました。

原告代理人・内山新吾弁護士
「訴訟への関心の広がりの中で、各地の行政も見直していくという動きも出ている、情勢とか状況が違った中での判決でもあると思うので、そういう意味でも注目される」

判決は、5月10日に言い渡される予定です。