◆戦争で変わった考え方「ウクライナと日本の社会に貢献したい」

エリザベータさん「私の家から500メートルくらいにある家は、そこにミサイルが落ちて亡くなった人もいました」
去年2月24日に始まったロシアによるウクライナへの軍事侵攻。エリザベータさんは、母と兄とともにウクライナ西部の都市・リビウに避難しました。その後、大学と提携関係にあった日本経済大学が、ウクライナの学生を無償で受け入れていることを知りました。

エリザベータさん(去年3月)「私はずっと通訳者になりたくて。このチャンスを与えてくれて本当に嬉しかったですけど、家族から離れることは辛いです。日本語や経済の専門家になってウクライナに帰って、自分の国の経済を向上させたいと思います」
来日前には、将来の夢をこう語っていましたが、戦争が長期化し、日本で暮らすうちに仕事に対する考え方が変わってきたそうです。
エリザベータさん「戦争が始まって、ウクライナ人は戦争に勝つためにすごく頑張っていますので、私もお金を稼ぐだけじゃなくて、もっとウクライナにも日本の社会にも貢献したいという価値観が身についた」
◆仕事に対する考え方に“ギャップ”募る不安

日本で就職することを決意したエリザベータさん。就職活動は思うようには進みませんでした。
松崎准教授「卒業をみんな勝ち取って、就職活動を始めたのが7月だったんですよ。7月といったら、普通、日本の学生は留学生も含め85%が内定をもらっている状況です。そのなかで就職活動を始めないといけなかった。いろいろな企業にアプローチしたけど、充足しています、もう必要ありませんという答えがほとんどでした」
松崎准教授は、企業に電話やメールで直談判したり、学校主催で就職セミナーを開催したりして採用試験にこぎつけました。面接試験の対策を進めるうちにある問題に直面します。ウクライナ人と日本人の仕事に対する考え方の違いです。

松崎准教授「すでに自分が会社で何をするかあらかじめわかっているのがヨーロッパ、ウクライナを含めたジョブ型雇用と言われるものです。日本の雇用スタイルは、メンバーシップ型雇用といいます。入社するまで、入社して研修を経るまで自分が企業でどの部署に配属されて、どんな仕事をするのかわからないことに一種の不安を覚えているウクライナ人学生は多いと思います」














