青森県大間産クロマグロの漁獲量を報告しなかったとして水産会社の社長2人が逮捕された事件で、2人の会社のマグロは2020年に静岡市の市場で取り引き数量が急激に増えていたことがわかりました。

大間町の水産会社の社長・新田忠明(にった・ただあき)容疑者と佐々木一美(ささき・かずみ)容疑者は2021年、クロマグロ18トンの漁獲を青森県へ報告しなかった疑いが持たれています。

2人の会社のマグロは静岡市の水産会社を通して静岡市中央卸売市場で取り引きされていました。市場のまとめでは、その数量は2020年に急激に増え、20年・21年は70トン台で推移しともに、全体の半数以上が7月から9月に取り引きされていました。ただ、青森県と水産庁が漁獲報告の義務違反に関する調査を始めたあとの2022年はゼロになっています。こうした事態を受けて、クロマグロの資源管理を担う農林水産省の野村哲郎大臣は10日、違法な漁獲物の流通防止策などを検討する考えを示しました。

※野村哲郎 農水大臣
「国際的な信用を失っていくと、そういうことにならない前に、どういった管理・再発防止ができるのかを、真剣に議論して検討していかなければいけない」

警察は、漁獲が報告されていないマグロは2021年度は98トンと見ていて、今後、それ以前の取り引きについても捜査を進め事件の全容解明を進める方針です。