北海道から沖縄までリアカーを引きながら、一風変わった姿で日本を縦断した男性がいます。この男性は、旅をする若者たちに人と人とのつながりの場所をと、山口県下関市にゲストハウスをオープンさせました。みずからの経験を、あとに続く若者や地域とのつながりに生かそうと奮闘しています。
着物マジシャン ジャックさん
「これ、もっと曲げていきます。これで90度くらい曲がります」

鮮やかな手さばきでマジックを披露するのは、“着物マジシャン”ジャックさんです。プロのマジシャンとしてアメリカやヨーロッパなど36カ国でショーを行い、世界中の人たちをうならせました。しかし、新型コロナの影響で人が集まることが難しくなり、国内での仕事も減ったといいます。
リアカーで日本縦断旅に

ジャックさん「僕はマジシャンなんで、マジックしながら徒歩で日本中を行脚できたらおもしろいなって思って旅を始めましたね」
おととし、ジャックさんはリアカーを引きながら、北海道を出発して全国各地を回りました。
ジャックさん「リアカーだと目立つというのと、大きく着物マジシャンって書くことでマジシャンが歩いているのをわかりやすくするために、リアカーにしました」

旅をともにしたリアカーは、マジックを披露するテーブルになり、時には雨露をしのぐ寝床にもなりました。重さは当初180キロでしたが、300キロを超えたこともあったと言います。上り坂では体を後ろに向けてリアカーを引っ張り上げました。

ジャックさん「歩いて旅をしているとゆっくり進んでいくので、いろんな方々とふれあえて、ちょっとお茶飲んでくとか、そういうところで旅の話したり、地域の人と関わってマジックさせてもらったり、そういう出会いが旅の醍醐味ですね」
SNSで発信、応援広がる
ジャックさんは、旅の様子をSNSで発信。共感した人たちから応援の声も届きました。去年7月、沖縄に到着して日本縦断を成し遂げたときには仲間たちも駆けつけました。331日の長い旅でした。リアカーには各地で出会った人たちの夢が書かれています。