大分県内に住む80代の女性が老人ホーム入所権の名義貸し名目で、およそ4千万円をだましとられる特殊詐欺の被害にあいました。

警察の調べによりますと去年11月上旬、県内に住む80代の女性の家に不動産会社を名乗る男から「老人ホームに入所できる権利がある」などと電話がありました。女性はこの話を断り、男から持ち掛けられた権利を他人に譲ることを承諾しました。

その後、女性に老人ホームの関係者や警察官、弁護士を名乗る男からそれぞれ「あなたから名義貸しを受けた人が不動産会社に1千万円を支払った。この金はすぐに返さなければならない」「名義貸しは犯罪です。あなたの資産を教えて欲しい」「警察から財産を差し押さえられるので、口座のお金を全額引き出しておいた方がいい」また、「現金はこちらでも預かることができる」などと話し、信用させました。

そして、女性に対して、返金についてはこちらでも都合をつけるので、残りの分を払って欲しいと言葉巧みに持ち掛けました。

話を信じた女性は去年の11月18日頃から12月19日までの1か月の間、およそ10回にわたり、現金書留や相手が指定する口座への振り込みで、あわせて4025万円をだまし取られました。

今年に入って同じような手口が3件確認されていて、県警は注意を呼び掛けています。

(県警察本部安全 安心まちづくり推進室・別府敦室長)「知らない人から電話があって分からない話を持ち掛けられた場合は一旦電話を切って、家族や子供、もしくは警察に相談するということを心がけてほしい」

この事件で今年に入って、県内の特殊詐欺の被害額は1億円を超え、去年の同じ時期のおよそ2倍になっています。