【住吉 光 キャスター】長崎の暮らしと経済を分かりやすくお伝えしているウイークリーオピニオンです。
【平家 達史 NBC論説委員】今回は先週、国が新たな方針を示したこちらのテーマです。

増加する空き家──どうする国の新たな対策は

【住】空き家の増加は人口減少・高齢化とも関連していて一筋縄ではいかない課題だと感じるのですが、長崎県内の現状はどのようになっているのでしょうか?

【平】まず『空き家』の定義ですが、国土交通省では『1年以上住んでいない、または使われていない家』と定義しています。

人口減少と高齢化で”特定空き家”が増加

この『空き家に関する国の調査』は5年に一度行われていて、直近の調査は2018年に行われました。

2018年に行われた国の調査によりますと──
長崎県内で人が住んでいない空き家の数は 101,500戸
このうち、賃貸用や売却用、別荘などを除いた“居住目的のない空き家”は 57,700戸となっています。

こうした空き家は人口減少や高齢化の進行にともない増加の一途をたどっていて、県内では1998年からの20年間でほぼ2倍に増えています。

居住目的のない空き家のうち、そのまま放置すれば倒壊などの恐れがあるものは『特定空き家』と呼ばれていて、長崎市建築指導課によりますと、長崎市内ではことし3月末時点で、およそ700件の『特定空き家』が確認されているということです。
【住】長崎では、この20年でほぼ倍とのことですが、今後減少する材料はないようにも感じます。全国的にはどうなんでしょうか?

【平】空き家の増加傾向というのは、全国的にも同様で、国土交通省によりますと“居住目的のない空き家”の戸数は──
2018年に全国で349万戸だったのが、2030年には470万戸に増える見通しとされています。

“空き家”を管理しないと税負担が増す!?

【住】放置された空き家は倒壊の恐れだけでなく、衛生面や景観的にも周囲に影響を及ぼしますから、対策が急がれますね。
【平】こうした現状を踏まえて先週、国土交通省の有識者会議である『空き家対策小委員会』が『今後の空き家対策のあり方について』というとりまとめを公表しました。