ブラジル在住の女性が、いま、山形市で日本酒造りを学んでいます。一体、どんな思いがあるんでしょうか?

報告・吉川明穂「もうもうと湯気が立ち上る中、もくもくと作業されているのが、パトリシアさんです。100度近い酒米を、冷却機に移動させています」



ブラジル在住のパトリシア・テロさん(42)。

普段は、ブラジルで、産婦人科医を務めています。



パトリシアさん(山形の冬はどうですか?)「すごく寒いです!凍えてしまいそうです」



パトリシアさんが日本酒にほれ込んだのは、15年ほど前。

今回、本場の酒造りを知りたいと、山形市にある出羽桜酒造の酒蔵で、2週間の研修を受けることになりました。

パトリシアさん「添え、踊り、仲・・・」



様々な、日本酒の用語も知っているんです。

パトリシアさん「日本酒は様々な料理に合って、そのペアリングが楽しめるので好きです」

きょう(8日)は、日本酒の仕込み作業を学びます。

報告・吉川明穂「櫂入れ作業なんですけれどもパトリシアさん、丁寧に慎重に手慣れた作業で行っています」

どうして、こんなに慣れた手つきなんでしょうか?

パトリシアさん「ブラジルで酒造りがしたい。いまは独学で日本酒を造っている」


実は、医者の仕事の傍ら、日本酒好きが高じ、5年前から独学で日本酒造りを始めました。


おととしにはビール工場の一角で、日本酒を製造したのだそう。

パトリシアさん「大きいです。ブラジルで作っているものよりも20倍くらいの大きさです。日本酒のノウハウをたくさん学び素晴らしい日本酒をつくりたい」



この1週間で、日本酒造りを基礎から学んだパトリシアさん。酒蔵の担当者も、職人さながらの手つきに驚いています。

出羽桜酒造営業部・鴨田直希輸出担当長「こんなに酒造りに詳しい方なのかということでびっくりしています。こういう手作業の世界って残っていないんですよね。ですからそういう世界を経験してもらって、あちらでも日本酒の心や文化を伝えていただきたい」



パトリシアさんは、山形で学んだことを活かし、来年には、ブラジルで日本酒を販売したいと意気込んでいます。

パトリシアさん「1番大事なことは、ブラジル人に日本酒文化を伝えること」