コロナ禍において命の尊さや生きる力を伝える映画「有り、触れた、未来」が来月公開されます。この作品には、震災で犠牲になった子どもたちのために掲げられている宮城県東松島市の“青い鯉のぼり”が登場します。震災がテーマではない映画に、なぜ青い鯉いのぼりが使われることになったのでしょうか?
「コロナ禍」テーマの映画に震災の鎮魂の象徴「青い鯉のぼり」登場
映画「有り、触れた、未来」のラストシーン。和太鼓の力強い演奏と共に青い鯉のぼりが映し出されています。
山本透監督「例え傷が癒えなくても、前を向いて歩いていけるんだよというのを映画の中に込めたかった、伝えたかった」
映画の撮影を指揮した山本透監督。おととしの3月11日、宮城を訪れた時、青い鯉のぼりを目に焼き付けました。
山本透監督「支え合ってるなと思ったんです。それを見ただけできっと力強く生きる力を届けられる映画になるんじゃないかなって。エンディングは鯉のぼりと決めていたんですよね」
青い鯉のぼりは、震災で弟を亡くした伊藤健人さんらが中心となり、東松島市の大曲地区で、毎年3月11日と5月5日の子どもの日に掲げられている鎮魂のプロジェクトです。
山本透監督「この映画自体は震災や復興をテーマとした映画ではないんですけど」
「有り、触れた、未来」は、コロナ禍で生きづらさを感じる今、生きる力を伝えたいと制作された映画です。恋人を失った元ミュージシャンの女性や自殺願望を抱く少女らが登場し物語が交錯します。青い鯉のぼりプロジェクトの共同代表の千葉秀さんは当初、震災をメインテーマとしていない映画に青い鯉のぼりを使うことに抵抗があったと話します。
青い鯉のぼりプロジェクト共同代表・千葉秀さん「『希望の象徴として青い鯉のぼりをあげたい』と言われた時に、『鯉のぼりだけだったら2000匹買って揚げたらどうですか』と言いました」














