<消防団員のホース運び>
「もう一本!」
ホースをもって走るのは消防士ではなく、消防団員です。火災が起きた際の消防団の大きな役割は「初期消火」。1月、伊豆の国市で林野火災を想定して行われた放水訓練では、消防署員と同じようにホースを持って走り、火を消しました。
<放水訓練>
「今、放水開始しました」
消防署は消防団の活動を頼りにしています。
<駿東伊豆消防本部 今井將一朗第2方面隊長>
「大きな災害、火災を含め、発生した場合には、消防本部の人員だけではどうしても不足することがあります。そこで地域に密着している消防団の力を借りることによって、地域住民の命、財産を守ることができる」
消防団員は普段は別の仕事をし、災害時にかけつけます。柿島拓哉さんはトマト農家です。
<柿島拓哉さん>
「こんな感じで鈴なりになっているので取るのも楽ですよ。ほかの皆さんもおいしいと言ってもらえているので、それをウリにしていきたい」
柿島さんが入団したきっかけは、以前、自分のハウスで火事があった際、消防団の協力で延焼をくい止められたことでした。
<柿島拓哉さん>
「初期消火なり、なんなり、習いまして。自分の消防団に入って助ける側にしていきたいと思って志願しました」
しかし、今、消防団がピンチを迎えています。新しい団員が集まらないのです。
<函南町総務課 本郷和弘消防主任>
「全国的にそうかもしれませんが、函南町でも例外なく定員割れが続いております。正直、厳しいです」
函南町の消防団は、定員191人に対し、現在は164人。慢性的な団員不足が続いています。県全体では、およそ3700人が不足。地域への愛着や関わりが薄くなっていることに加え、ここ数年は新型コロナの感染拡大で勧誘活動が制限されたことが、なり手が少ない理由です。
トマト農家の柿島さんが所属する函南町消防団の第5分団です。
<訓練の準備>
「放水はじめ!」
「(ホースから)水ががーっと漏れると危ないから、止めてくださいと頼んで、安全確認」
毎週木曜に団員が集まり、打ち合わせや訓練をします。訓練中は厳しい表情ですが、訓練が終わればとても和やかな雰囲気です。
<団員同士の会話>
「お菓子食べる?」
「ごみ袋に入っているじゃん」
「ごみは入ってないから」
<記者と団長の会話>
Q.終わるといつもこんな感じなんですか?
「こんな感じですね」
Q.和気あいあい?
「そうですね」
また、消防車で回る火災予防の呼かけは地域を見守ることにつながり、やりがいがあるといいます。
<柿島拓哉さん>
Q.消防団の強味は?
「あそこにはだれが住んでいるとか、あそこはおばあさん一人になったとか、そういった情報には詳しいと思います。消防団は地域密着ですから」
地域にとって欠かせない消防団の役割をもっと知ってもらい、仲間を増やしたいと考えています。
<函南町消防団 辻洋幸団長>
「火災や水害など、地域の安全安心のために頑張っていますので。ぜひ皆さんも消防団に入ってほしいと思います。よろしくお願いします」
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