全国ブランドとなっている大間産クロマグロ、大間マグロを扱う水産物卸売業者2社の社長が逮捕されました。
社長2人は、漁業者と共謀してクロマグロの漁獲量の一部を青森県に報告しなかったとして漁業法違反の疑いが持たれています。漁獲が報告されていなかったのは、漁業者22人であわせて98トンにのぼると見られています。

逮捕されたのは、いずれも青森県大間町の水産物卸売業者の社長、新田忠明容疑者(47)と佐々木一美容疑者(61)で2021年の7月から9月にかけて、漁業者と共謀してクロマグロ約18トンの水揚げを青森県に報告しなかった漁業法違反の疑いが持たれています。
2人は、漁業者が漁協を通さない「脇売り」でマグロを入手し捜査関係者によりますと、一部は大間マグロとして流通していたと見られます。逮捕を受けて大間町の飲食関係者からは、大間マグロのブランドイメージの低下を懸念する声が聞かれました。

※大間町の飲食関係者「大間のマグロは全国的に有名ですからショックでした」

漁獲枠を管理する県は、2021年8月に外部からの指摘を受けて調査をした結果、大間・大畑・奥戸の3つの漁協であわせて約60トンの漁獲が報告されていないことがわかりました。
県から情報提供を受けた警察は捜査を進めて2人をきょう逮捕し、警察の調べに対して2人は容疑を認めているということです。

※大間漁協・小鷹勝敏組合長「逮捕なんて出ると思っていなかった。組合で決めたものは組合で守ってきた。本人たちの自覚ですね。今までのことを踏まえて役員が一丸となってがんばってやるしかない」

警察は当初、青森県が調査した結果を大きく上回るあわせて98トンの漁獲が報告されていなかったとしています。
警察は、2人が経営する会社と取り引きした漁業者22人から事情を聴くなどして、事件の全容解明を進めるとしているほか、青森県も漁業者への行政処分を検討しています。