では政府は同性婚に対してどのような姿勢をとっているのか見ていきます。
▼2021年 超党派議連で「LGBT理解増進法案」合意も…
→自民党内の反対派から反発を受けて国会提出を見送り

この件について国会で野党議員から問われると…
岸田総理(2月1日 衆議院・予算委員会で)
「その後どうなったかということについて、いま一度確認をしてみたい」
「(同性婚の導入について)全ての国民にとっても家族観や価値観社会が変わってしまう課題。社会全体の雰囲気、こうしたものにしっかり思いをめぐらした上で判断することが大事」
▼岸田総理の考えは…
TBS政治部 川西 全 官邸キャップ
「政調会長時代に『同性婚などの課題解決のために、必要であれば憲法改正を行う』と周囲に前向きな発言をしていました。現在もその考えは変わっていないが党総裁として保守系議員にも配慮している」
「“スピード更迭”のワケは身内から総理の考えと、相容れない発言が出たことへの拒否反応と国会審議への影響を懸念」
井上貴博キャスター:
荒井前秘書官の発言、もしもご自身のお子さんやご友人が同性婚をしたいと言ったときに、同じような言葉を投げかけるのかなと。あとは「秘書官室全員がそうなんです」と、これ1人ではなくそういう組織なのかと身の毛のよだつ思いすらしました。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
二つ整理して申し上げると、一つは岸田さんがこの問題に関して「社会が変わってしまう問題だ」って言うんですが、社会はもう既に変わってるんですね。もう同性婚についてもLGBTも非常に理解が進んでいる。これはおそらく岸田さんの先を行ってるわけです。
それに対してはその秘書官室全員が、今回LGBT問題にネガティブな反応を持ってるとしたらですね、これおそらく「岸田さんが非常にネガティブな対応をしてるから、秘書官室もそう思っているんじゃないか」とみんな思いますよね。
その疑念を晴らす責任は岸田さんにある。ところが岸田さんは今日の国会にも来ない、ちゃんと国民に向かってちゃんと説明をしようともしないというわけですから、疑念はますます膨らむ。そういう状況ですので今回の問題、私はこの政権にとって非常に深刻だと思います。
岸田さんは元々自民党の中でリベラルな勢力だと言われてるんですけど、この1年半近くの政権の中では実際は何もやってきてない。選択的夫婦別姓もやっていない。LGBTの理解増進法もやっていない。もちろん同性婚も触ってもいない。
「この人は本当に実行力があるのかな」とみんな思っている矢先に、こういう発言が出てくるのでやっぱり言ってるだけなのかなというふうに思っています。
井上キャスター:
自民党の若手議員は比較的、選択的夫婦別姓などにも前向きな方が一定数いるじゃないですか、もちろん自民党全員がこうじゃない。でも上の立場の人たちがこうだと、やっぱり自民党は変われないものなんでしょうか。
星さん:
安倍さんと菅さんの政権で、自民党がぐっと保守派の方に振れたから、岸田さんたちのリベラル勢力が少数派になっていたということがあって、それが「岸田さんになって、少し揺れ戻すのかな」世の中の人は思ってたんでしょうけど、実際はそうではないという点が露呈したということですかね。