南海トラフ地震の発生を想定し、地震や津波の被害状況を上空から確認する訓練を国土交通省が行いました。

国土交通省四国地方整備局では、防災ヘリコプター「愛らんど」を2006年から運用していて、1日はこのヘリを使って、南海トラフ地震の被害想定エリアを上空から確認する訓練が行われました。「愛らんど」は普段、高松空港に配備されていて、南海トラフ地震が起きた際は、すぐに高知へ向けて飛び立つことになっています。

(四国地方整備局 荒瀬美和 局長)
「『震度が四国管内で6弱以上』、『大津波警報発表』の場合、自動的に『愛らんど』が飛び立つ。高松空港を離陸して(太平洋側の)沿岸部を実際に現地を確認しながら飛行する」

「愛らんど」にはカメラが搭載されていて、映像がリアルタイムで地上に送信されます。

高松空港を飛び立った「愛らんど」は国道32号沿いを南下していきます。山間部では地震の揺れによる『土砂崩れや国道・高速道路の寸断がないかどうか』を確認していきます。離陸から30分足らずで高知平野が見えてきます。ここからは津波の浸水被害などが想定され、『建物の屋上に取り残された人がいないか』など、より入念な確認が求められます。こうした映像で被害状況を迅速に把握することで、被害を受けた道路の復旧=「啓開」につなげようとしています。

(四国地方整備局 荒瀬美和 局長)
「まずは(道路など)社会資本の被害状況をしっかり確認する。次に、瀬戸内海側から太平洋側に『啓開路』を作り、支援・応急復旧をしていく。『いかに道路を啓開し、各市・町をしっかり守るのか』ということが非常に重要」

「愛らんど」はこの後、幡多地域や愛媛の宇和島・松山などを飛行し、高松空港へと戻りました。

四国地方整備局では今後も訓練を行い、災害時の迅速な対応につなげたいとしています。