新型コロナの感染対策として手放せなかったマスクですが、着用が緩和される流れの中で、今年の「花粉事情」が待ったをかけそうです。

薬局をのぞいてみると、マスクはもちろんのこと花粉症対策のグッズがズラリと並んでいました。

シモカワ薬局さくらまち店 西村 友孝 副店長「鼻炎薬ですね。種類が色々置いてありますし、目薬とか点鼻薬とか」

まもなく花粉の季節がやってきます。

日本気象協会によりますと、九州地方におけるスギ花粉は2月上旬から飛散を始め、下旬にピークを迎えます。

気になる今年の花粉の飛散量については…

日本気象協会 九州支社 気象予報士 君島 由希子さん「今年は昨年と比べると全体的に多い傾向で、特に熊本県は非常に多い飛散になりそうです」

県民にとってはさっそく心配な言葉が出てきました。飛散量は前年と比べ1.4倍!原因は去年の夏にあるといいます。

2022年7月の梅雨明け以降は晴れた日が多く、降水量が少ないことや日照時間が長かったことでスギの雄花がたくさん作られたとみられていて、君島さんは早めの備えが大切だと訴えます。

君島さん「花粉を吸いこまないことが一番大事だと思うので、やはりマスクをつけたり、個人個人に合った対策を続けたりするのがいいのかなと」

県内ではまだ花粉の飛散は確認されていませんが、症状を感じ始めた人もいるようです。

「土曜日ぐらいから鼻がかゆくなってきて、始まったなって感じがします」

「本当に嫌です。スギの木切ってほしい」

熊本市でアレルギーなどを専門に診療する病院を取材すると、すでにきょうの午前中だけでも20人以上の相談があったということです。

そして診療する医師本人にも花粉症の症状が…

なかの耳鼻咽喉科アレルギー科クリニック 中野 幸治 理事長「私ももう目がうるうるっとしています。どうもきょうは飛んでいるなと感じます」

10年以上花粉症に悩まされているという中野理事長は、コロナ禍のマスク着用でここ数年は症状が出にくかったのではないかと指摘します。

中野理事長「おととし、去年と皆さんマスクされてたから、花粉症の方も『意外と(症状が)軽い』とおっしゃってました」

中野理事長は、マスクを外すことで症状の悪化や患者の増加が懸念されると言います。

中野理事長「もうしばらく待ってマスクを外したらどうでしょうかという風に提案したい」

街中からマスク姿が消える日はまだまだ先のようです。

それでは、どういった花粉対策をすればよいのでしょうか?

まずは「マスクの着用」です。環境省によりますと、花粉が鼻の中に入るのを7割以上防ぐということです。

次に日常生活での注意事項として、中野理事長は「換気」と「入浴」を挙げています。

「換気」は花粉の飛散量が増える朝と夕方を避けてカーテンを閉めて行うと、花粉の侵入防止になるそうです。

そして「入浴」ですが、外から持ち込んだ花粉を吸い込まないように帰宅後は早めのお風呂が良いようです。