岡山市東区の西大寺観音院で、西大寺会陽の一連の行事の始まりとなる「会陽事始め」が行なわれました。

記念行事や法会もあり、備前平野に春を呼ぶ催しが動き始めました。
事始めを前に行われた、書家・奥田雄山さんの書初め式です。

会陽での願いを筆でしたためました。ウクライナ情勢やウイルスのまん延から平穏な生活を取り戻す思いを込め、屏風には「祈 世界 安穏」と書かれました。

その書の前で、西大寺会陽の最初の行事「事始め」が行われました。

棟梁が、宝木を作るための、かんなやのこぎりといった道具を、約30分かけて丁寧に研いでいきました。

今年も、はだかの男たちによる宝木の争奪戦は行なわれませんが、観客を入れての開催は3年ぶりです。

(西大寺観音院 坪井綾広住職)「有観客での開催が3年ぶりですので、争奪戦がないにしても、来年の争奪戦を目標に行事をすすめていき、今年ひとりでも多くの裸の人に参加して欲しい」

このあと行われた法会には、今年の祝い主であるRSK山陽放送と銘建工業の役員や関係者も出席しました。西大寺会陽は2月18日午後10時に宝木が投下されます。

今後の西大寺会陽の行事日程です。

2月1日深夜2日未明にかけて、宝木の素材となる原木を受け取りに行く「宝木取り」が行われます。
その後、五穀豊穣などを祈願する「修正会」や会陽参加者の心身を清める「水垢離」が行われたのち、18日の会陽の日を迎えます。
宝木の投下は午後10時で、今年も争奪戦はありませんが、裸衆が境内を練り歩く「地押し」は観客を入れて行なわれます。