―――ドイツ製の戦車「レオパルト2」のウクライナへの供与が決定しました。これに対してロシアはどう動くのかについて、佐々木正明教授の解説です。教授によると、欧米諸国に対してロシアは「世界経済全体を麻痺させる作戦」例えば小麦でやエネルギー、日本もやはり影響を受けるということになりそうです。
(佐々木正明・大和大学教授 元産経新聞モスクワ支局長、ゴルバチョフ元大統領に3度直接取材した経験がある)昨年7月ぐらいに小麦の輸出が止まって、アフリカ諸国が食糧危機に陥りかけましたよね。やはり戦況で劣勢になりますと、ロシアは小麦やエネルギーを使って世界経済を麻痺させ長期化させて、ロシア側になびく国を集めようとする、それがおそらく戦略だと思います。例えば昨日もですね。イギリスとドイツで、サイバー攻撃がありました、そういったことも警戒しなくてはいけない。
―――もう一つ、EU内でも足並みの乱れがある。
ドイツ国内でも、戦争に巻き込まれたくないと戦争当事国になりたくないという声はかなり多いです。ハンガリー、セルビアは親ロ派的な政策をとっておりますので、欧州の分断を図ろうとする揺さぶりをかけてくる可能性がありますね。
(三澤肇解説委員 元JNNベルリン支局長)特にハンガリーのオルバン政権は、特徴を持ってまして、昔から接点だったという歴史的経緯もありますし、相当な右派政権で、EUの概念とはちょっと違うことをやったりします。セルビアもロシアの影響力を受けていますし、そこら辺を巧みにロシアは突いてくるってことですね。
―――ロシア国内はどうなんですか?「第2の動員令」で国内脱出を阻止するとの情報もあるということですが。
第1の動員令は去年9月下旬に出ましたね。その際に動員を避けようとして、多くのロシア国民の健康な男子が数十万人隣国に逃れた経緯があります。これはプーチン政権にとっても諸刃の剣です。動員やれば反発が起こる。そうしますと、何らかの理由が必要なんです。














