今年で26回目を迎える富山県滑川市の伝統行事「滑川薪能」が、9月23日(水・祝)に滑川市民会館大ホールで入場無料で開催されます。滑川薪能実行委員会は、高齢化などにより活動が縮小していた地元愛好会「滑川宝生会」の活気を取り戻すため「10年後に会員を50名以上にする」という目標を新たに提示。文化の灯を次世代へつなぐ試みとして、今年も地元の小学生有志が夏休み期間中に稽古を重ねる予定で、本番の舞台で成果を披露することになっています。

滑川薪能は1989(平成元)年、地元の能楽愛好家らが中心となって滑川駅前中央公園に仮設舞台を設けて始まりました。

その後、会員の高齢化や資金難から2008(平成20)年の第20回を機に一時中断しましたが、行政の支援を受けて再開。2023年(令和5年)の資金難による中止という苦難も乗り越え、「伝統を絶やしたくない」という関係者と地元企業の支援によって、今年も開催することになりました。

公演は2部構成で入場は無料です。午後4時からの第1部では、地元会員による連吟・仕舞・独吟のほか、市内の小学生有志が練習の成果を披露する連吟・仕舞で舞台を飾る予定です。

また、実際に舞台に上がって能の所作を体験できる教室も用意され、伝統芸能を身近に体感できるプログラムとなっています。

午後5時からの第2部では、富山県の新田八朗知事や、滑川市の水野達夫市長らによる「火入れの儀」が行われ、舞台のかがり火が独特で幽玄な雰囲気で会場を演出する予定です。

また、初めて鑑賞する人も親しめるよう、宝生流能楽師の佐野玄宜さんが分かりやすく演能解説を行い、西海の合戦で討ち死にした琵琶の名手であった平経政を題材にした能「経政」や、ユーモラスな会話で展開する狂言「水掛聟」を重要無形文化財保持者らによって上演されます。

能「経政」
狂言「水掛聟」

先端技術やグローバル化が進むなか、身体と声で表現する伝統芸能の価値を伝える取り組みはますます重要となっていて、実行委員会は「能は自分で習うことでさらに理解が深まる歴史があります。子どもたちの挑戦を応援していただくとともに、ぜひ多くの方に足を運んでもらい、一緒に伝統文化を楽しんでほしい」と呼びかけています。

狂言「水掛聟」