北朝鮮が最近、国境を跨ぐ橋を相次いで開通させようとしています。2つの橋から見える北朝鮮のしたたかな外交戦略とは。

今月開通した北朝鮮とロシアを結ぶ、長さ1キロの自動車橋。両国の結びつきのあらわれなのか、橋には金日成主席を暗殺から守った旧ソ連の軍人の名前がつけられました。

ロシア ミシュスチン首相
「交通・国境インフラの拡張は、(両国の協力の)発展に強力な推進力を与えると確信している」

ウクライナ侵攻以降、ロシアに兵士や武器を提供し、関係を深めている北朝鮮。自動車橋の開通で、ロシアへの武器輸出が拡大し、見返りとして、さらなる外貨や軍事技術を得るのではと懸念されています。

橋があるのは、両国と中国との国境地帯です。すぐそばの中国・吉林省の街では…

記者
「通りでは、どの店の看板も中国語とロシア語と朝鮮語で書かれています」

ロシア産のタラバガニにマトリョーシカ、それに北朝鮮産の高麗人参や白頭山が描かれた絵画と、ロシアや北朝鮮のモノであふれていました。

中国の住民
「ニュースなどを見ると、3か国の指導者の関係はとても良いと思います」

ロシアからの観光客
「(3国の関係は)最高です!」

安保理の制裁や新型コロナなどで冷え込んでいた北朝鮮と中国の関係ですが、6月には習近平国家主席が7年ぶりに平壌を訪問するなど、最近になって急速に改善。

それを象徴するのが、北朝鮮と中国・遼寧省を結ぶ新しい橋です。およそ10年前に完成後、使われないままでしたが、最近になり、北朝鮮側に巨大な検問ゲートなどが確認でき、近く開通する見通しです。

関係改善の背景に何があるのか。専門家は北朝鮮とロシアの蜜月関係が中国を振り向かせたと分析します。

慶応大学 礒崎敦仁 教授
「中国からすれば、北朝鮮情勢はロシアが管轄するものではなく、中国が主導していくものだと、北朝鮮に示す必要があろうかと」

中国とロシアを天秤にかけるかのような北朝鮮のしたたかな外交戦略だといいます。

慶応大学 礒崎敦仁 教授
「ロシア・ウクライナ戦争の長期化が北朝鮮に多大な利益をもたらし、中国を振り向かせることもでき、経済制裁の解除を急ぐ必要もない。今は経済的にも、安全保障の面でも、“我が世の春”を謳歌するような時期」

そんな北朝鮮をうかがわせる動きが北京でも。

今月、JNNのカメラが捉えた北朝鮮大使館の敷地内。数十メートルの奥行きをもつ大きな建物がつくられていました。

礒崎教授や韓国政府の関係者によりますと、北朝鮮の高官らが宿泊する施設の可能性があるといいます。

慶応大学 礒崎敦仁 教授
「ロシアとの蜜月関係により、経済的に余裕が出てくれば、在外公館に資金をまわすことができると考えられます」

したたかな外交戦略をみせる北朝鮮。国際社会はどう向き合うのでしょうか。