ハイジャックされた旅客機2機が次々とタワーに突入し、ニューヨークの象徴だった世界貿易センタービルが崩壊。およそ3000人が犠牲となったアメリカ同時多発テロから11日で25年が経ちました。

ニューヨークではこの日、世界貿易センタービルの跡地「グラウンド・ゼロ」で追悼式典が行われました。

21歳だった姪がいまも行方不明
「あの日のまま取り残されています。前に進まなければならないのでしょうけど…」

3歳の娘と訪問(29)
「この場の重い空気や沈黙を娘に感じさせることが大切だと思って連れてきました」

式典には発生当時、対応に当たったブッシュ元大統領ら、歴代の大統領4人が参列。

トランプ大統領は、同じくテロ攻撃にあった国防総省で演説しました。

トランプ大統領
「2001年9月11日の英雄たちは、これからも称え続けられる。時が流れても彼らが記憶から消えることはない。決して忘れられることはない」

ニューヨークの式典には、今年就任したニューヨーク初のイスラム教徒市長、マムダニ氏も出席しました。

「25年前は想像もできなかったよ」

中東・イエメンにルーツを持ち、ニューヨークで生まれ育ったナセルさん(44)。テロの実行犯がイスラム過激思想を掲げる国際テロ組織「アルカイダ」のメンバーだったことがわかると、ニューヨークに住むイスラム教徒にも憎悪や偏見が向けられたといいます。

ナセルさん
「一緒に育ち、友達だと思っていた人でさえ聞くんだ、『ねぇ、君たちはテロに賛成なの?』って。無知ゆえにだろうけど、人生で聞いた中で一番馬鹿げた質問だったよ」

2001年に報告されたイスラム教徒へのヘイトクライムは481件と、前の年の17倍に急増。いまだに多くの犯罪はありますが、ナセルさんはこの25年でイスラム教徒を取り巻く状況は改善されてきたと話します。

ナセルさん
「2000年代初頭は『イスラム教徒はテロリストだ』と決めつけられました。私たちはずっとイスラム教がテロリストの宗教ではないと訴え続けてきました」

その一方で、マムダニ市長の式典出席に拒否感を示す遺族もいました。

ジョヴァンニ・ガランテさん
「マムダニ氏が追悼の場にいること自体が間違っていて、遺族に対する侮辱です」

テロで妻を亡くしたガランテさんは、マムダニ市長はテロを肯定する人と付き合い、そうした人を非難していないと主張。式典欠席を求めて10万あまりの署名を集め、市長室に提出しました。

こうした声に対し、式典後、マムダニ市長は…

マムダニNY市長
「私たち全員にとって重要なのは、遺族や警察官、消防隊員らに思いを寄せることです。この場所で25年前に命を奪われた全ての人々の名前を聞き、遺族がこの歳月をどう耐え抜いてきたかを感じることです」

テロ以降続く社会の分断を乗り越える努力がニューヨークでは続いています。