香川県まんのう町から、世界大会へ挑む庭師たちがいます。今年9月、中国・上海で開催される「技能五輪国際大会」に、日本代表として出場する2人の若者です。

西川寛昭選手(左)門野史奈選手(右)

造園職種の日本代表に選ばれたのは、香川県まんのう町の造園会社「今田作庭園」に所属する西川寛昭選手と、門野史奈選手です。

西川選手は、造園業を営む父が手入れをした庭をお客さんが見て喜ぶ姿や、庭が美しくなっていくのを見たことがきっかけで庭師に興味を持ったといいます。また、門野選手は、もともと庭師に興味がなかったものの、高校生のときに庭が少しずつ完成していく面白さなどに魅了されたといいます。

「技能五輪国際大会」とは、23歳以下の若手職人が集い、ものづくりや技術の“世界一”を競い合う大会で、2人が挑む造園競技は、2人1組で制限時間内に1つの庭園を完成させるものです。競技時間は、4日間で合わせて22時間。図面が発表されるのは大会の前日で、持ち帰ることはできません。

また、日本の現場では大工が担うことが多いウッドデッキやフェンスなどの木工作業も課題に含まれていて、寸法誤差2ミリ以内や、ビスの深さ・ライン、木材のささくれまで審査されるなど精密な精度が求められます。

提供:今田作庭園

チームの軸となる入社3年目の門野選手と、選手交代により急遽抜擢された入社3か月の西川選手。2人は現在、課題克服に向けた練習に励んでいます。

(西川寛昭選手)
「自分の担当でもあり、弱点でもある「木工」では、図面の判読を正確に行い、木材を規定の寸法できっちり切断。組み立て時の寸法の誤差をなくし、図面通りに設置できるように日々練習しています。最初から最後まで気が抜けないです」

(門野史奈選手)
「造園は石積みから木工まで様々な作業があるため、一つ一つの技術を磨くだけでなく、限られた時間の中で二人でどう動くか、図面をどう読み取り、正確に完成させるかを特に意識しています。本番でどんな課題が出ても対応できるよう、細かい部分まで確認しながら」

提供:今田作庭園

世界に挑む一方、機材や道具、大会前の現地視察費用などを選手本人と所属会社が大きく負担しています。

この状況を支えようと立ち上がったのが、2019年のロシア・カザン大会に出場した先輩庭師の石坂暢琢さんです。自身が過去に受けた支援を次の世代へ渡したいと、“恩送りプロジェクト”としてクラウドファンディングを実施。準備する機材や道具は、将来の日本代表選手にも引き継がれます。

提供:今田作庭園

周囲から温かい支援と指導を受け、2人は大会本番、そしてその先の未来を見据えています。

(西川寛昭選手)
「残り少ない日数で、自分の今の実力で、世界で戦えるのか。 正直、不安はありますが、この7ヶ月間でつけた自分の実力と、指導して頂いた周囲の方々を信じて、大会本番の競技時間の最後まで全力で駆け抜け、いい結果を報告したい。そして、ここまで面倒を見ていただいた、社長へ金メダルを、恩返しをすることができるように頑張りたい」

(門野史奈選手)
「不安やプレッシャーもありますが、それ以上にここまで多くの方々に支えていただいたことへの感謝を強く感じています。自分一人でここまで来られたわけではないので、その方々への感謝を結果で返せるよう、残された時間を大切に過ごして、日本代表として最後まで全力で戦い、最高の結果で恩返しができるよう頑張ります」

支えてくれた人々への感謝を胸に、香川の若き庭師2人が今月(9月)23日から世界の舞台へ挑みます。