いつ起こってもおかしくない大雨・浸水といった「風水害」などから貴重な資料を守るため、各市町村の職員が水に濡れてしまった公文書の適切な応急処置などについて学びました。

8月、北陸地方や千葉県を襲った記録的な大雨…。多くの建物が浸水被害を受ける中でも、行政機関には公文書を守ることが求められます。高知県立公文書館は先日、風水害や地震で公文書が水に濡れ、汚れてしまった場合を想定した研修会を初めて開催。適切な対応を学ぶため、県内21の市町村から38人の職員が参加しました。

研修会では、2018年に起きた西日本豪雨の際に、実際に愛媛大学で水損資料のレスキューにあたった県立高知城歴史博物館の水松啓太(みずまつ・けいた)学芸員が講演。資源が限られる中、3年ほどかけておよそ5000件の資料の吸水を行ったということです。

(県立高知城歴史博物館 水松啓太 学芸員)
「新聞紙がありさえすれば吸水はできますから、現実に向き合った時にうろたえない」

研修会では応急処置についての実習も行われました。水損した文書は被災後2日ほどでカビが生えたり、紙同士が癒着したりするということですが、やってはいけないのは、無理にこじ開けることや、ドライヤーによる急激な乾燥。資料を守るためには、キッチンペーパーなどを使って手作業で吸水・乾燥をする必要があります。

◆参加者
「一枚一枚はがすのは難しいです」
Q.どういったところに注意していますか?
「(ページの)順番が違わないようにやるとかですかね」

公文書は基本的に原本しか存在しない文書で、公文書が失われることは行政の対応の遅れや地域の歴史の損失につながります。今回の研修により、参加者が各自治体に持ち帰り、適切な公文書管理のノウハウが共有されることが期待されます。

◆中土佐町役場から
「一枚一枚はがして乾燥させるということで、すごくきれいにできたので、もしそういうことがあったら、教わった知識をいかせればなと思います」

◆県立公文書館 小溝智子 次長
「実際、起こった場合も乾かすための材料集めたり、仲間を呼び集めたり、ネットワークに助けを求めたりということもできるんだと知っていただく機会になったかなと」