◆打開策にプランクトン減らす「カキ」を投入

佐賀県小城市の有明水産振興センターに先週、生きたカキが運び込まれました。赤潮を引き起こしたプランクトンをカキに食べさせよう、という作戦です。漁場の支柱に網にくるんだカキを結びつけ、水中のプランクトンを捕食させます。栄養の奪い合いをなくし、ノリの生育状況を改善させようというのです。

1月中に20トンのカキを漁業者に配布し、漁場に順次設置していくことにしています。

佐賀県水産課 中島則久課長「(Q.これだけの不作は経験ありますか?)初めてです。このままいけば、史上最悪の結果にもなりかねない。とりあえず、緊急に今できることのベストがこれだと思っています。手をこまねいて見ているんじゃなくて、今やれることをやる」

佐賀県の山口知事も先週の会見で、農林水産省に対策を要望する考えを示しました。

山口祥義・佐賀県知事「天候の問題や気候変動の問題、もちろん諫早湾干拓の問題などさまざまな複合的な問題がありますので、有明海再生のためにどういう支援をしていくのか、骨太に国とも話をさせていただきたい」


◆食卓への影響は 懸念されるノリの値上がり


2月3日は節分。恵方巻が風物詩として普及し、ノリの需要が高まる時期ですが、食卓への影響はないのでしょうか。

福徳海苔 福原誠助社長「現状必要な恵方巻向けのものは確保しています。供給の方は心配ありませんので、安心してお買い求めいただければ。去年から包装資材、物流含めて(価格が)上がっていますので、ここにきて非常に海況が悪くていいノリが少ない。1割以上は(販売価格が)上がってくるのは覚悟しています」

カキを使った対策に加え、先週から降ったまとまった雨や、今週の大寒波で海の環境が変われば、今後生産量が復活する可能性もあると期待されています。

佐賀県有明海漁協 深川辰巳参事「まだ、入札回数があります。組合員さんたちも全然諦めていませんので、あとの回数のノリに期待しております」