大規模な土石流が起きたネパールと中国で、死者は900人を超えました。行方不明者はおよそ4800人に増え、救助活動が続けられる一方で、被災者への支援も急務となっています。

「子どもの手が挟まれている!引っ張れ!」

ネパール当局が公開した28日の映像。倒壊した建物に閉じ込められた6歳の少女を救助隊員ががれきや土砂を取り除き、助け出しました。少女の容体は回復に向かっていて、現地では「奇跡の救出」と報じられています。

ネパールと中国で起きた大規模な土石流の死者は900人を超えました。行方不明者はあわせておよそ4800人に増えています。

一方、被害はあまりにも広範囲に及んでいて、ネパール中部のダディン郡では…

記者
「普段は透き通った水が穏やかに流れているそうですが、今は茶色く濁った水が激しい勢いで流れています」

土石流が発生した国境の上流部から90キロ近く離れた場所でも、川が氾濫しました。

記者
「濁流に押し流されたトラックが横倒しになり、土砂に埋まっています」

この家で暮らす75歳の男性は、家族はみんな無事だったものの、家財がすべて流されたといいます。

家が壊れた男性
「全てのものがあったのに、今は何もない。夢か現実かわからない。(物心ついた)5歳から少しずつ働いて、70年かけて稼いだ財産が流されてしまった。眠れないし、食欲もありません」

公的支援はほとんど行き届いておらず、住民たちは手作業で家にたまった泥をかき出していました。

被災した女性
「どこにも住む場所がありません。ここしかないんです」

ネパールでは推計でおよそ9万3000人が被災し、緊急の支援を必要としているとされ、ネパール政府は国際社会に支援を求めています。

ネパールには村橋記者がいます。今の状況を教えてください。

被災地からけが人が搬送されている首都カトマンズの病院には、壁一面に行方不明者の写真が貼られ、家族らが悲痛な思いで手がかりを求めています。

連絡が取れていない日本人5人の安否は、今も分かっていません。

犠牲者が増え続ける中、現地では遺体を安置する場所の確保が課題になっています。

こちらの病院でも、遺体を収容できるスペースがほぼ埋まっているということです。

特に氾濫したトリシュリ川の下流域にあるチトワン郡では、多数の遺体が漂着していて、ロイター通信によりますと、身元の分からない遺体は、DNAサンプルを採取したうえで、集団埋葬を行っています。

災害の発生から日が経つにつれ、遺体の身元の特定作業は難航していて、中国やインドからも専門家が加わって対応にあたっています。