死刑執行を知った時… 「嬉しいという気持ちは全然なくて」

大石:死刑が執行されました。犯罪被害者としては、どんなお気持ちなんですか。

磯谷さん:死刑執行された時に、何かほっとするというか、微妙な感じでした。今まで生きていた人がいなくなったんだって、複雑な心境ですね、本当のこと言うと。その人がもうなくなっちゃったっていうことが、何か変な。嬉しいという気持ちは全然なくて、普通の人間ですから、何か変な感情はありましたけど、これでもう神田のことは考えなくて、一つ一つ事件のことを消していきたいと思っていたので、考えなくて済むなと思うと本当にほっとしたところもありました。

大石:今までは憎くて憎くてしょうがなくて、そして死刑を求めてきたわけですよね。そこでようやく何か恨みを晴らすことができたっていう心境にはならない?

磯谷さん:ならなかったですね。なんかね、不思議な…ある新聞で「苦虫を噛み潰したような後味の悪さを感じた」というようなご遺族の方の言葉が載っていたけど、あぁよく似ている感じかなって。なんか好きじゃないですね、やっぱり。人の命がなくなるっていうことは、普通の人間だったらやっぱりこのような感情になるんだろうなとは思いました。