アメリカのトランプ政権から制裁対象に指定されたICC=国際刑事裁判所の赤根智子所長が会見し、「ICCは決して負けません」と訴えました。
■「ICCは決して負けません」 実生活に影響も
ICC 赤根智子 所長
「ICCは決して負けません。正義は常にこれと対極にあるものに優越する、優越しなければならない」
日本時間8月26日午後5時ごろから行われた会見で、こう述べたICC(国際刑事裁判所)の赤根所長。
アメリカのトランプ政権により、18日に職員とともに制裁対象に指定されました。
会見に先立ち、制裁について赤根氏はJNNに対し、次のように語りました。
ICC 赤根智子 所長
「『次は私かな』という気持ちはあった。ただ、やはり“来たのか”というところにおいては、まったく動揺がなかったといえば嘘になる」
実生活への影響も出ているといいます。
ICC 赤根智子 所長
「少なくともクレジットカードは使えなくなっている」
ただ、ICCの業務には「支障は出ていない」としています。
■「まさに法の支配の危機」 日本政府に求めるものは
赤根氏は、2年前にICCのトップに就任。
その後、ICCはガザへの攻撃をめぐり、2024年11月、イスラエルのネタニヤフ首相に逮捕状を出しました。
盟友への逮捕状にトランプ大統領は反発し、これまでICCの判事や検察官らを制裁の対象にしてきました。
そして、今回の赤根氏への制裁。
ICC 赤根智子 所長
「世界の法の支配の最後の砦となるICCを守り抜くことによって、世界の法の支配が廃れないようにしなくてはいけない」
制裁に対し、国連やEUからは懸念やICCへの支持の声が上がっています。
今後、日本政府に何を求めるのか…
ICC 赤根智子 所長
「ICCに対して、これからも支援をし続ける、そして絶対に脱退をしないんだと、はっきりと表明していただきたい。日本が圧力に負けるのか、あるいは周辺国と協力してICCを支えようとするのか、世界が見ていると思う」
26日の会見でも赤根所長は、次のように訴えました。
ICC 赤根智子 所長
「ICCに対する制裁は、単にICCのみの問題ではなく、まさに法の支配の危機として捉えていただきたいと思います」
■「大変残念」総理が発言修正 トランプ大統領に配慮したか
井上貴博キャスター:
ICC(国際刑事裁判所)の赤根所長への制裁について、高市総理は19日、「大変残念に思っております」とコメントしました。
25日には「日本の立場と相いれるものではなく、大変深刻に受け止めております」と発信しました。
TBS報道局政治部 外務省キャップ 大崎雅基 記者:
「大変残念だ」という表現は、やはりアメリカのトランプ大統領を意識して配慮したというのは明らかです。
過去にも法の支配を軽視するようなアメリカの言動は度々あり、その度に日本は表立って批判はしてきませんでした。
同盟関係にもあり、安全保障上もアメリカに頼らざるを得ない現状があるため、日本政府としては国益を考えて、あまりトランプ大統領を刺激したくないという考えが根底にあったものとみられます。
井上キャスター:
同盟関係を考えると、高市総理は難しい立場にあるというのは理解できる気がしますが、ヨーロッパ各国がこれだけ強いメッセージを発しているなかで、高市総理が弱腰に映っていると言えます。
そこで言うべきことはしっかり言っていくことで、プレゼンスを確保できるし、日本の強さをアピールできると思います。もっとやりようがあったのではないでしょうか。
TBS報道局政治部 外務省キャップ 大崎雅基 記者:
実際にそういう考えを持つ議員もたくさんいます。
24日、石破前総理なども参加している議員の集まりで、「残念というのは、ただの感想ですよね」「アメリカに対して制裁の撤回を求めてください」というような声明が出されました。
また、SNSでは、「赤根所長は日本人なんだからしっかり守ってください」といったコメントもあり、日本政府の対応に対してかなり批判が集まっている状況です。
そのなかで高市総理は、発言の修正を余儀なくされた形です。
井上キャスター:
日本政府としてしっかり発信していかないと、「法の支配」というのは口だけに映ってしまう部分があると思います。
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