「スコアボードは見たくない、呼吸にだけ集中」打席前の集中法

アナウンサー「今シーズンのここまで、どのように振り返りますか?」
阿部選手「いい時もあったり、悪い時もあったり、って感じですかね。いいところで出さしてもらってるのでそこで結果が出るのはいいこと」
アナウンサー「代打打率、得点圏打率、相当高いと思いますが、この辺りについてどう思いますか?」

阿部選手「打率とか得点圏打率は多分下がっていくと思うので、そこを気にせずですかね。僕もう、スコアボードも見たくないので、高くても低くても見たくない。考えなくてもいいことを考えてしまう。ネクストバッターズサークルに入る前は、配球、球種を考えていますけど、ネクストバッターズサークルに入ってからは、見るだけとか、呼吸するとか。呼吸が乱れたりするので、一つだけ集中したいなと思いながらやっています。集中させる部分はどこでもいい。自分がコントロールできる場所をコントロールしたいと言う考えですね。あんまり他のことを考えたくないので」
もうひとつ、勝負の場面で阿部選手の頭の中にあるのは。
阿部選手「シンプルに一つだけ、真っ直ぐを弾きたいと思って打席に入ったりとか、何とか芯付近に当てて強い打球を飛ばすっていう作業というか」
『作業』という言葉が示すように、極限までやることをシンプルに絞って挑んでいる。
さらに、今シーズンの阿部選手を語る上で、欠かすことのできない要素が『初球』だ。カウント別の打率は一球目が13打数の8安打.615と脅威的な数字で、他のどのカウントよりも高い。
阿部選手「そこは意識してやっています。どうせダメなら最初から言っても2ストライク追い込まれていっても一緒。それだったらもう最初にいきたい。攻めていきたいというか、打席立ったらもうストライクゾーンの四隅に投げられたら打てないですし、甘いボールを振りに行けるかどうかだと思う」
アナウンサー「交流戦を見ていると、パ・リーグのバッターって結構みんなそうじゃないですか?」
阿部選手「そうですね。振ってきますね」
アナウンサー「イーグルスにいた3年間はそことリンクしますか?」
阿部選手「すごく勉強になりましたし、スイングも強いですし、守っていても怖い。そういうのは、本当に勉強になった。見習うところが多い。それを何とか、実践したいと思いながら、ずっとやっている」
アナウンサー「ファーストストライクをしっかりいくという気持ちは以前よりも濃くなっている?」
阿部選手「濃いと思いますね」
パ・リーグで経験したことをフィードバックしてファーストストライクをしっかり攻める姿勢は、より集中してピッチャーと対峙することを意味する。それは先に語られた打席でのやることを極力シンプルにすることとも結びつき、その前段階の準備の質を如何に高めておくかということでもあるだろう。語られてはいないが、そういった部分にベテランならではの経験も加わりこの凄まじい成績を支えているのだろう。














