「変な欲がなかった」出世を望まなかった女性検事に訪れた思いがけない転機
検事として事件に真摯に向き合ってきた住田さんに、転機が訪れました。
(住田 裕子さん)
「1975年の国連で、国際女性年っていうのが始まって、そして日本でも女性が活躍するように登用しなくてはいけないっていう機運があったんで、たまたま生き残っていた女性検事がそういうポストに据えられていったので」
――女性として時代を切り開いていく中で、なぜそこまで頑張れたのか、モチベーションはどのように保っていましたか
(住田 裕子さん)
「多分、変な欲がなかったのだと思います。一検事でいい、地道にコツコツ、田舎で、それでも家庭とは両立したかった、それができればそれでいいなという感じで、出世なんて一切考えられない時代でした」
「今でも検事というのは出世を考えるもんじゃないと思ってるんですけど、特にそのときは思ってました。だから、『仕事ができるだけでいいと、続けられるだけでいいと、子どもが生まれて、それでいいと』思ってたんですよね」
「そうしたら、たまたまそういう形で世の中の情勢が変わっていき、ドンドン引き上げられていったということなんですね。モチベーションっていう意味で言うと、正直なところ、全然向いてない仕事ばっかりあてられているんです」
「(担当した仕事は)民事局ですよ。検事は民事やらないんですよ。検事は刑事事件なんですよ」
「しかも民事局に来るのは裁判官の超エリートが来ます。最高裁長官になったような人が。最高裁判事になったり、長官になって、すごく優秀な人が来る中で、私、民事できないのに、民事局で民法やら商法の改正するなんて、もうほとんど、劣等感の塊になりましたね」
「元々検事だって当初はそこまで優秀な検事ではなかったのですが…なめられてますから。それでも、(取り調べで)怒鳴ったり怒ったりしたら余計に様にならないんで。お母さんの顔をして聞いたら自白してくれるようになったっていうのが本音ですよ」
「ですから、そういうやり方でやってきたから、モチベーションがどうか、頑張ればどうかっていうのではなく、『とにかく今与えられた仕事、女性が仕事できるんだから、これをしっかりとやっていきたいなっていう気持ちが1つの大きなモチベーション』で、ここでつぶれたら逆に弁護士になっても、もうだめだろうと思ったので、検事を頑張ったのです」
「つぶれる、だめになることもおかしくなかったのですが、なぜモチベーションが続いたかというと、『ダメ元でなってるから強かった』のでしょうね」
「出世を考えて、エリート街道爆進しようと思ってたら無理だったと思います。だから、そこでの肩の力が入ってないっていうのは、どこにおいても言えることだと思います。多分テレビもそうだと思いますよ...無理してないでしょ、私」













