■運用上の課題

法律ができれば、すべて解決するわけではありません。

新法の実効性を高める上で、大きな壁となっているのが現場での運用上の課題です。

2021年に成立した「教員性暴力防止法」により、児童生徒に対して性暴力を行った教員は原則として懲戒免職となりその情報は40年間データベースに蓄積されることになりました。

しかし、上谷弁護士は「せっかく作ったデータベースの活用率が非常に低い」という現場の課題を指摘します。

文部科学省の調査によると、採用時にデータベースを適切に活用していない事業者が約7割にのぼり、登録すらしていない事業者も約4割に達する現状があります。

「法律上の義務であるにもかかわらず、『使い方が分からない』『自校は関係ないと思っていた』と放置されているのは大きな問題だ」。

上谷弁護士は、制度を作るだけでなく「どう運用するか」という現場の意識改革の必要性を訴えました。

後編】では、子どもに対する性暴力の未然防止策について考えます。