iPocc試験が示した腹腔内投与の有効性
岡山大学学術研究院医歯薬学域(医)の長尾昌二教授(特任)らは、カルボプラチンの腹腔内投与の有効性を検証したiPocc(アイポック)試験の結果を、2023年に英文医学雑誌『New England Journal of Medicine Evidence』に報告しました。
この試験では、標準治療のひとつであるdose dense(ドーズデンス)TC療法を受ける進行卵巣がん患者を、カルボプラチンを静脈内点滴投与するグループと腹腔内投与するグループとに分けて比較しました。その結果、腹腔内投与によって再発のリスクが約17%減少することが明らかになりました。
さらにその後の研究では、腫瘍組織の遺伝子検査(myChoice)で相同組み替え修復機能異常が認められた患者において、腹腔内投与がより有効である可能性も示されています。こうした患者はPARP(パープ)阻害薬による維持療法も非常に有効であることが知られており、腹腔内投与との組み合わせによる恩恵が大きいと考えられています。
このデータをもとにヴィアトリス・ヘルスケア合同会社と日本化薬株式会社が申請手続きを進め、2025年12月にカルボプラチンの腹腔内投与が静脈内点滴投与に加えて新たな投与ルートとして保険承認されました。















