「人間は一つも憎くない、なんぼ戦争だといっても」
戦後、平井さんは運輸会社に就職。国の復興に力を注ぎながら、セブ島で命を落とした人々を弔うため、現地の慰霊祭にも出席し続けてきました。
あれから81年。平井さんは、手を差し伸べてくれたあの一家のことを考えない日はないといいます。
(平井孝雄さん)
「自分の国でよその国同士が戦争して。あの境遇で我が子のようにしてくれたんじゃもん。もう感謝しかない。あの時、あんたがいなかったら助かっていなかった…」
「相手が敵になってしまうんじゃもん。人間は一つも憎くない、なんぼ戦争だといっても。国が仇(かたき)のように思わせてしまう。そうせんと、燃えんからな。みんなが燃えて立ってくれにゃあ、戦争にならんから」
「もう二度と、ああいう目に遭いたくねえな」
命を奪い合う敵、味方である前にひとりの”人間”であるということ。そんなごく当たり前のことを見えなくしてしまうのもまた、戦争の恐ろしさです。














