「金庫2つ、1億円ある家がある。人がいたら縛っちゃおう」


17日、山口地裁で開かれた裁判。検察は、男が犯行に至った動機を明らかにしました。男は消費者金融に借金があり返済に困っていたところ、SNSで「日当100万円」という投稿を見つけて応募しました。連絡を取り合うと「報酬100万円のタタキ(隠語で強盗)の仕事がある」「11月に山口で仕事があるので、まず広島に行ってほしい」などと説明され、報酬ほしさに仕事を引き受けることにしました。

男は広島県などでほかの仲間と合流し「金庫2つ、1億円ある家がある。人がいたら縛っちゃおう。もし金庫の番号が分からなかったら、カッターで脅して聞くだけ」などと話したといいます。事件当日、5人はレンタカーで現場へ向かいました。1人は見張り役として車に残り、残りの4人が家へ向かいました。午前2時ごろ、鍵のかかっていなかった1階の窓から侵入し、カッターナイフで家族らを脅し、結束バンドで腕を縛るなどして金品を奪おうとしました。男性が身を守るために自室から日本刀を持ちだし、廊下で刃を抜いたことなどから、男らは犯行をあきらめ逃走。しかし男は逃げ遅れ、男性の娘に捕まりました。男は当時の心境について「金銭的な焦りもあり、頼まれた仕事をやらなきゃという気持ちが強かった。自分の弱さが原因だと思う」と話しました。

借金はギャンブルや、欲しいものを買うなどしてふくれあがり、100万円ほどあったといいます。検察側は、犯行は組織的かつ計画的できわめて悪質などとして懲役4年6か月を求刑。一方弁護側は、今後同様の罪を犯す可能性は低いなどとして、執行猶予のついた判決を求め審理を終えました。今月、共犯の4人の公判も予定されています。