18分間の英語スピーチ 遺族には“規制”も

そして令和初のオランダ訪問。両陛下は冒頭の拝礼のあと、アムステルダム王宮で晩さん会に出席し、国王夫妻の前で戦争の歴史にも触れられた。2000年の上皇さまの時は日本語だったが、今回は18分間すべて英語でのスピーチだ。

(和訳)「私たちは絶えず謙虚に過去の歴史から学び、人々の痛みや悲しみに寄り添って耳を傾け、悲しみを繰り返さないよう、悲惨な体験や苦労を後の世代に伝えていかなければなりません。そして、今なお当時の痛みを負い続けている人々がおられることに思いを致し、平和への努力を続けていかなくてはならないと思います」

国王夫妻は真剣な表情で、時折陛下を見つめながらスピーチを聞いた。その後、別室では両陛下が遺族団体の代表と言葉を交わされる場面もあった。会に出席した関係者を取材すると「両陛下と懇談を終えた遺族の顔を見ると、とても晴れやかな表情をしていた」という。

両陛下が遺族代表と話されたことはオランダでも報じられたが、一方で、いくつかの団体は活動が制限されていたことが現地で気になった。たとえば、両陛下の訪問を待っていたある遺族団体は、警備の要請で供花の場に近づけなかったのだ。結果、彼らは広場に面したホテルの窓から見ることになった。団体はデモを企画したわけではなく、近くで静かに両陛下を見たいという趣旨だっただけに、こうした措置に対する不満を訴えた。

遺族(オランダ現地紙より)
「今の日本の天皇は、父や祖父(上皇さま、昭和天皇)よりも自由な立場に見えますし、私たちは国賓訪問には反対していません。ただこの歴史的な機会に、私たちにも役割を与えてほしかったのです。その声は(政府に)聞き入れられませんでした。戦争犠牲者のために献花が行われるのに、当事者たちがその場にいられないなんて、おかしなことではありませんか」

遺族の一部はホテルの窓越しに拝礼を見た。複雑な気持ちで顔を押さえ、時に涙を流す人も(JNNロンドン支局取材)