「掃除ロボット」や「携帯翻訳機能」...進化が止まらないのが「AI=人工知能」の技術です。そのAI技術を活かした運転免許講習が、岡山市の自動車教習所が導入しました。どのように活用されているのかドライバー歴5年の私(杉澤眞優キャスター)が体験しました。


(AI音声)
「信号交差点を直進し、右折です」

教習所内の技能講習ですが、助手席に教官はいません。モニターに表示されるのは「注意喚起」の文字。備前自動車岡山教習所が昨年12月に導入した「AI教習車」です。


(備前自動車岡山教習所 吉村充司社長)「ベテランの指導員の方々が定年等でリタイアされている。その中で『新規の指導員の育成』がなかなか難しい。問題に対して一つの解決策になるかもしれない」

背景にあるのが「指導員の不足」です。全日本指定自動車教習所協会連合会によりますと、10年後の2033年、「教習生の数」に対して「指導員」は3割以上不足すると試算しています。


課題解消にと導入された「AI教習車」は、360度照射するレーダーで車の位置を把握、速度や運転手の目視確認の有無まで、測定することができます。

(杉澤眞優キャスター)「私もAI教習車に乗ってみたいと思います」

AI教習車は、個人成績の管理・データや数値で運転スキルが分かるなどのメリットがあるといいます。
(AI音声)「周辺の安全を確認して発進させてください」
(杉澤眞優キャスター)「では、行きます」

指導員と同じく、「巻き込み確認」や「車のふらつき」など約50項目を測定します。

(杉澤眞優キャスター)「バックします。駐車できるかな」

私が苦手な駐車では、「後方確認をしない」と指摘。また様々な場面で確認が不足し、合図が出ていないと表示されました。

さらにスピードの出しすぎなど、危険を察知すると…自動制御装置が作動し、車は急停止します。そしてコース内の運転が終わると…。


(杉澤眞優キャスター)「うそでしょ…」
自分の運転が点数で評価される仕組みです。


(備前自動車岡山教習所 小林茜さん)「曲がりたいところから30m前までには、車を中央線に寄せておかないといけないですよ、というルールになっているので、もうちょっと早めに寄せておかないといけないですね」

点数やデータ化されることで、自分の運転を客観視することができるので、運転技術の向上にも一役買いそうです。
(備前自動車岡山教習所 吉村充司社長)「自分の運転スキルをチェックするとか、確認をしていくことで、より事故のない世の中になるかなと思っています」

現在、備前自動車岡山教習所では、AI教習車は企業講習やペーパードライバー講習で活用しています。将来的には、仮免許や免許取得のための活用を目指したいということです。