お湯の温度低下や量が少なくなっていることが確認されている青森県弘前市の嶽温泉郷(だけおんせんきょう)についてです。


設備の損傷や不具合などが原因と見られていましたが、源泉自体の温度が下がっていると見られることがわかりました。根本的な原因は分からず復旧も見通せない状況に関係者が頭を悩ませています。


岩木山の麓に位置する「嶽温泉郷」400年近い歴史を持つ名湯で、寒さが厳しくなるこの時期、本来であれば熱いお湯で体を温めに多くの人が訪れるはずでした。

※嶽温泉旅館組合 小嶋庸平代表
「めまいがするような感じでした。(冬場の)要みたいな源泉でしたので、これがお湯の十分な量と温度を確保できないとなると浴用施設としての営業はほぼ不可能」

嶽温泉郷は熱めのお湯2本と温度の低いお湯2本の計4本をパイプで引き込みそれぞれの旅館で混ぜて使用していますが、12月28日に温度の低下と湯量の減少が確認されました。


この影響で温泉郷にある田澤旅館では、鉄分の多く含むお湯の割合が増えたため、浴槽が赤くなってしまいました。

※田澤旅館 田澤範雄店主
「みんな(旅行客を)断っている。この湯だと入れられない。うちも常連客は入れているけど(事情を)知らない人が日帰り入浴に来ても断っている」

当初は源泉からお湯を運ぶ設備の損傷や不具合が原因とみられていて、6軒の温泉旅館がある温泉郷に影響が広がったため、先週末から復旧作業を進めていました。

その結果、設備の損傷や不具合は確認されなかった一方で、源泉自体の温度が低下していて、お湯の量も以前より少ないことが確認されたということです。

※嶽温泉旅館組合 小嶋庸平代表
「完全に枯れたかどうか結論付けるのはまだ早いと思いますが、現状期待できる温度と量が確保できていませんのでそれも考える必要がある」

嶽温泉郷の源泉でなにが起きているのか。温度が低下していることは確認できましたが、組合では雪が解け次第、さらに調査を行なって早期の復旧を目指すとしています。

※嶽温泉旅館組合 小嶋庸平代表
「弘前市や青森県、可能であれば国まで話をあげてでもなんとか生きていけるように、お客様にきちんとサービスできるようにもっていければとは思っていますが」

根本的な原因の解明や打開策はこれから、影響が長引くことが懸念されます。