「海でなくしても諦めがつく値段は?」漁師の答えは「3万円」
この価格設定には、現場の切実な声がありました。養殖業では、いけすの周囲にロープや設備が数多くあり、水中ドローンが引っ掛かって回収できなくなることもあります。松岡教授は漁業者に率直に尋ねました。
「回収できなくなっても諦めがつく値段はいくらですか?」

返ってきた答えは、「3万円くらい」。

「高性能で高価な機体」ではなく、「毎日気軽に使える道具」を目指す――。
こうして3万円という目標価格が決まり、その範囲で性能を最大限引き出す開発が始まりました。
潜水士不足を支える「海のDX」

養殖業では、網の破れや魚の健康状態などを日常的に確認しなければなりません。潜水士が海に入って点検する作業は少なくありませんが、高齢化や担い手不足が課題になっています。
この水中ドローンなら、船やいけすの上から海中を確認できます。しかも、現場でパソコンを立ち上げたり複雑な配線をしたりする必要はなく、すぐに使えることも特徴です。

松岡教授は、「最小限の潜水士と、陸上からロボットが潜水士の安全を観察・確認するチームが組めるのではないか」と期待を寄せています。














