職務質問から逃走した男性を、大阪府警の警察官が引き倒し、押さえつけるなどした約16分間の行為は、令状のない「実質的な逮捕」で違法だとして、大阪地裁が府に11万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。
この裁判は2022年1月、大阪市西成区で職務質問から逃走した男性が、逮捕の要件を満たしていないにもかかわらず、雨の中警察官から不当に長時間押さえつけられるなどして精神的苦痛を受けたなどとして、大阪府に440万円の損害賠償を求めていたものです。
判決によりますと、男性が盗難ナンバープレートを付けた車に近づき、車から荷物を取り出したのをみて、警察官が職務質問しようとしたところ、所持していたリュックや手提げ袋を捨てて逃走しました。
男性は数百メートル先の公園で疲れ果てて座り込んだところ、追いついた警察官に背中側へ引き倒され、約16分間にわたり上に覆いかぶさられたり、首や両手を押さえつけらるなどしました。
この間、男性はスマートフォンを取り出して「弁護士に電話させろ」と求めましたが、警察官は電話させないよう両手を押さえ続けたということです。
判決で大阪地裁の寺垣孝彦裁判長は、男性が盗難されたナンバープレートがついた車に近づき、その後逃走したことなどから「職務質問をしようとしたこと自体が不合理なものとはいえない」としました。
しかし、「男性の意思に反して身体の自由を実質的に制約した16分間の行為は、令状など適法な手続きを経ていない強制的な処分にあたる」として、警察官の制止行為は行き過ぎで、違法だと指摘しました。
そして大阪府に対して慰謝料や弁護士費用など計11万円の支払いを命じました。
判決をうけて、大阪府警は「判決の内容を精査したうえで、今後の対応を決めたい」とコメントしています。
この男性をめぐっては、当時警察官から逃走した際に捨てたリュックと手提げ袋の中に覚醒剤が入っていて、2024年6月、覚醒剤取締法違反の罪で懲役2年6か月の実刑判決が確定しています。
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