未婚には若さが影響、結婚忌避感には?
長期的に見て未婚や結婚忌避感が増えていますが、せっかくの時系列データなので、「コーホート分析」でもっと深掘ってみます。
コーホート(cohort、コウホート、コホートとも)は「共通の特徴を持った集団」のことで、ここでは同じ時期に生まれた「世代」を指します。
コーホート分析は、長期間に及ぶ時系列データの変動を「年齢」「時代」「コーホート」の3つの効果に分解して、どの効果がどれくらい、どのようにデータの変動に影響したかを示します(注3)。
今回は未婚と結婚忌避感のデータを男女別に分析し、それぞれの結果を3つの効果ごとに次の折れ線グラフでまとめました。いずれも、グラフの上に行くほど未婚率や結婚忌避率を高める(下に行くほど低める)ように作用していることを表しています。



年齢効果では、未婚(実線)は男女とも20代前半が最も多く、20代後半から30代にかけて減り続け、それ以降は横ばいになります。逆に結婚忌避感(点線)はどの年代でもほとんど差がなく、グラフは真っ平ら。
ここから「結婚していない」状態には若さが強く影響する反面、「結婚はしたくない」気持ちの強さに年の差はないと考えられそうです。
一方、時代効果は、男女とも未婚も結婚忌避感も、おおよそ同じ傾向に見えます。すなわち、90~95年に少し下方向だったものが、00年にやや上向いて15年まで横ばい、そして20年、25年と上昇傾向といった感じ。
結婚より自分のやりたいことを優先した80年代後半のバブル景気も崩壊し、90年代は「結婚を毛嫌いしなくてもいいかも」と少し思い直した様子。しかし、失われた10年が20年、30年、40年と延びるうちに「まず自分がどう生活するか」が重くなり、結婚の比重が下がったのかも、という解釈は想像(妄想?)が過ぎるでしょうか。
さらにコーホート効果では、全体として横ばいな印象の中で、未婚にところどころで鋭いピークが見られます(注4)。
まず、1936〜40年(昭和11〜15年)生まれの男性が大きく下向き。次いで、41〜45年(昭和16〜20年)生まれの女性が大きめの下向き。
この人たちが青年から壮年だったのが、55~73年(昭和30~48年)の高度経済成長期。社会が豊かになることを実感しながら、当たり前のこととして結婚したであろうことが、グラフから想像されます。
一方、91~95年(平成3~7年)生まれの男性が上向きで、96~00年(平成8~12年)生まれの女性がもっと大きく上向きでした。
この人たちは現在、男性が30代前半、女性が20代後半で、結婚するのが当たり前だった昔なら「結婚適齢期」と呼ばれる年頃。しかし、今、その世代であることが未婚率を高める方向に影響していて、「昔とは違う」ことを強く実感させられます。
グラフの上下の振れ幅などから3つの効果を互いに比較すると、男女とも未婚では年齢効果が他よりも大きいのに対し、結婚忌避感では年齢効果よりも時代効果が、次いでコーホート効果が大きいことが分かりました(注5)。
まとめてみると「未婚かどうか」には若さが強く影響する一方で、「結婚はしたくない」という思いの強弱は、いわゆる「結婚適齢期」の男女が居合わせる時代の状況・風潮によるところが大きいようです。














